住んでいるところは都会に近い田舎で、主婦が多い住宅地だからかエステが多く、検索すると10件ほどヒットした。
エステ(広義)も含まれていたので、候補になったのは3件。高いところ、安いところ、中間のところ。中間のところを予約しようとした。
ふと思う。エステというと料理教室よろしく勧誘が多い印象がある。選択肢のなかの
中間のところはチェーン店で、独自のヨガだとか水素水だとかなんたらかんたら書かれていて、検索してみるとネズミ講の一種のようだった。
話は逸れるが、学生のときに休みの日だけ、サイト運営という名の口コミ作成のバイトをしていた。業務内容はそれだけではなかったが、入ってから知った。自社サイト運営という言葉に騙されていた。同じ人間が何人かの口コミを作成する。人を騙して金を取っている気にしかならず、すぐに辞めた。教わったポイントはいいことだけを書かないこと。悪いことも書くこと。
その会社の人たちは人の書いた口コミをアレンジしてどこかに送る。そんな仕事もしているのに、みんな宗教やネズミ講はきらいだった。わたしが断れずに道端で野菜を買わされた話をしたらみんながそれはよくないと言った。
それを思い出して、もう一度検索してみるとそのエステはそこそこ有名なネズミ講だった。
結局、変なところに金をかけてしまっても額が少ない一番安いところを予約した。
90分コース。数千円。個人情報を書く。顔を知られている状態で嘘を書くのはなんとなく抵抗があってわざと汚い字で書いた。住所は書かず、電話番号だけ。
はじまって5分。ここで使用しているのは全て同じところのものという話がはじまる。この時点でやってしまったと思った。
比較対象がないからわからないけれど値段分以上の満足感は得られた。話は途中から寝てるふりをしたりしなかったり。
頭が働いてなかった。
「少しならあります。」
ここから何か簡単な実験とか市販のものにはどんなに悪影響なものが入っていておそろしいか、信用できないか、これを知っても今使っているものを使い続けたいと思うか、そういう話をぶっ続けでされた。
最後にこれだ。
・こちらの商品は紹介制となっていて普通に購入することができない。
・身体のことを思うなら是非買ってみてほしい。
・購入回数が増えるほど得になるから
勧誘に関するところ以外とっても親切で気の利く人だった。
友人にもマルチ漬けのお家の人がいた。全員販売人?みたいな。自分のいいと思うものを人にとってもいいと決めつけるのが怖いし洗脳されている人を見ると辛くなってしまう。
すぐには決められませんというようなことを伝えて、申込書だのなんだのを持ち帰った。なんで私が罪悪感を感じるんだろう。でもあの人たちが悪人だと思えなかった。しかし私は絶対にああいうものは使いたくないしそれにお金を払いたくない。