一生無縁だと思っていた。
だって同担と入るコンサートが一番楽しいし、同担と飲む酒が一番うまいから。
前置きしておくと、私はリアコの気は一切ない。ファンサ厨でもない。
ファンサは貰えたらそりゃラッキーだけど、自担が生きてるだけでファンサなので別にそれ以上望むことはない。
だからそういう同担拒否ではないんだけど、この最近のしんどさは、同担拒否というやつなんだろうなと気づいてしまった。
私は「興味が絶えないから」という理由で、気が付いたら自担を自担にしていた。
私の言う興味が絶えない、というのは要するに、自担のことがまったく分からないっていうこと。
彼は、強くて、やさしくて、揺るがない芯を持って、綺麗な画を背に、孤独に立っている。
でも本当は泣き虫で、甘えん坊で、弱くて、それを見せないように必死で隠している。
その弱さも、陰の努力も隠そうとするから、彼はあんまり自分のことを話したがらない。
でも本当は自分のことを知ってほしいと強く思っている。とか、そういうのは分かる。
だけど、本当に見えないところっていうか、見せないところでどうかは分からない。
なにもかもが私とは正反対で、自分にないものをもって輝く彼に惹かれたわけだけど、正反対だから、彼の行動や発言の意図がまったく分からない。
眩しくて、悔しくて、だけど薄暗くてねちっこい感情がアホくさくなるほど魅力的で、君を見てると救われる気がする。
ずっと興味が絶えない。正反対で一番遠い君のことをもっと知りたい。見えないところ、分からないことを理解したい。
そんなときに、そんなときに、現れてしまった。分かるんですというオタクが。彼が自分と似てるんですというオタクが。見えないところ、彼の深いところ、全部が分かってしまうんですというオタクが。
確かに、わかるかもしれない。似てるかもしれない。
たぶん、本当に似てる部分が多いんだと思う。
だけど、あなたから教えてもらいたくないんですって、思ってしまって。
いや教えてるとかそんなつもりないのは分かってるし、ていうか全然その人は悪くないし、いろんなオタクがいていいと思うし、全部を肯定したいですよ。いいえ、肯定します。
肯定しよう。だけど、とにかくなんかもう、めちゃくちゃしんどかった。
解釈違いとはまた違う、オタクとしての価値観だなんとやらというものが違うんでしょうね。
そしたら堰を切ったようにどんどんどんどん、主に概念を語る同担が厭になってきて
バカなので昼休みに「同担」「嫌悪感」「価値観」「心理」とか、浮かぶありとあらゆる単語を組み合わせてネットにぶち込んだ。
何回やっても、一番認めたくなかったレッテルが毎回出てきて、ようやくわかった。
こういうところがいいよね、とか、こういうとこがすき!とか、ちっちゃいとこまでそういう話ができるのは他担じゃ限りがあるので、やっぱり酒を飲む相手は同担に限る。
だから、本当に多分、言葉の選び方とか、ニュアンスとか、文字しか読めない分、その文字がつづる文章に嫌悪感を抱いたら止まらない。
自担の概念という部分の核という核を、第三者からビラビラと見せつけられるのがたまらなくしんどい。
そういう同担とは関わり合いになる前に避難するのが賢明、という同担拒否。
お宝を探す作業が楽しいのに、ほらこれ、あ、これも、と横からぬるっと差し出されてもうれしくない。
自分の力で掘り当ててーんだよ。
だけど、どうしても自担のことになると、わかったようなこと言わないでと思ってしまう。
わかりやすく例えると、超おもしろくて展開が読めないマンガの結末をばらされるような感じというか、
もうこれを書いてるうちにどんどん自分がいやになっているんだけど
そういう人たちの言葉を受けれたくないんだよな、限りなく正解に近いって。
実際のところ正解とか誰もわかんないんだけどさ。
負けたって思ってるじゃん。だから尚更いやなんでしょ語るオタクが。
負けたくない、ってなに?負けたくないってオタクが言ったら独占欲のはしりじゃね?
えっじゃあもうわたしも独占欲側の同担拒否なの?うっそマジでめちゃダサいじゃん
こんなはずじゃなかった。ゆる~いオタクになるはずだった。
これ、どうしたらいいの?
自担をただ見ていたいだけなのに。
なんでしんどくなっちゃうのかな。
ここまで言っといて罪滅ぼしじゃないけど、いろんなオタクがいていいと思うよ。