2018-03-20

もう少し高カロリー朝ドラも見てみたい気もするが、まぁそれは無理な話だ

NHK-BSで、朝ドラ再放送~最新朝ドラ早版を30分連続でやってる朝の枠があって、出かける準備をしながら斜め見するのにちょうど良くて見ている。今は再放送花子とアンわろてんかが、どちらもちょうど太平洋戦争中というタイミングである

朝ドラにおけるお約束として、当時の世相は「軍国化する体制側」と「軍国化に追随する常識的市井」と「不本意ながらも追随せざるを得ない主人公界隈」という構図で書かれがちであるドラマなので美化しているところも現実とは違うところも沢山あるだろうが。

まぁ、言論弾圧に反骨し投獄され獄死した人も実際にはいたわけだが、朝ドラで取りあげるには明らかにカロリー過多だし、結果的にぼろ負けした戦争を指揮したボンクラもの尻馬に乗っかって踊った「善意市井」を主人公にしてヒロイックに描くほどさすがに無知性に極右化するわけにもいかないだろうし、「善意市井の恐ろしさ」を皮肉として描くには、獄中死を取りあげる以上に高カロリーすぎて朝から胃もたれ必至なので無理だろう。

増田若いころから、「こんなに分かりきって馬鹿たことをやっているのに、なぜ当時の「善意市井」たちはそれをどんどん受け入れていったのだろう」というのが不思議で、戦時中ものルポやら文学作品やら日記やらを読むのが好きである

朝ドラフィクションである、とはいえ、歴史資料(あまり正確なものが残っていない。当時も今と同じように時間がたつと自動的に消える仕組みになっていたのだろう)や日記文学者が残した戦時中日記はとても興味深い)などを読んでみても、朝ドラと同様の「アホな指導層/それに踊らされる自称常識人不本意ながら付き合わされる主人公」的な構図を見つけることはできる。

こういう趣味があるどちらかというとリベラル寄りの増田なので、ついそう読んでしまう面もあるが、太平洋戦争ではそれでまんまと、長期人口グラフでもあっここだよね!と分かるレベルでかくんと人口が減った戦争を、戦後は「ぼくら踊らされたんですー」みたいな顔した「善意市井」の多大な協力で成し遂げたわけで、「善意市井」の暴力性というか、大義お国のために)と生活(逆らうと生きていかれない)が直結したときの怖さというか、そういうものがもうちょっと朝ドラで書かれたらええのにないっそ、と思ったりもする。こういうご時世ですし、なおさら

まぁそれはそれとして黒木華藤井隆はほんと良い俳優だな、以前から両者とも好きだったが、どちらも難しい立ちどころの役をこなしている。藤井隆マシューズベストヒットTVベストアクトだと思っていたが、万丈目はんも相当良い。ドラマはまぁ、ちょっと吉本配慮が過ぎまへんか?とは思うが。

昨今は、民放局が良いドラマを作る体力がすっかり無くなっているせいかNHKドラマ相対的に良く見えるということもある。昨晩は録画しておいた弟の夫を見て号泣したところだ。あれは、演出演技脚本含めほぼ100点。

  • 今たまたま「国家の表現規制」だの「検閲」だのの二本立てになってますけど ああいうのに過剰なほど敏感な人に限って、わかりやすい権力さえ絡まなければ、 人の表現を棍棒で殴るこ...

    • 増田には、こういう意見って割と「善意の市井」に近いもの見えるけれどもあんま自覚ないのねやっぱり

  • 一人称

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