まさに欲だ。
人の欲の象徴と言っても良い。
酒池肉林。(本来肉林は女性のことではないという見解が強いが)
しかし現代日本でこの欲を満たそうとすると社会からバッシングを受ける。清く正しく美しい日本こそが大正義なため、酒池肉林を満たすことはできない。
親父から聞いた話だ。
親父が14歳の頃、第二日本地上「パライソ」が出来上がったらしい。
現代の首相が掲げた「清く出しく美しく」は日本を激変させた。それの一歩が第二日本地上「パライソ」だ。
男性は地上で過ごす事になり、女性は希望すれば「パライソ」に住むことができる。一部の俳優男性や金持ち男性以外は一切入ることの出来ないまさに「天国」だ。
親父は当時、恋仲だった女性がいた。しかし、彼女は母親と二人暮らし。当時言われていた「シングルマザー」ってやつだ。
その彼女の母はパライソへの移住を決めた。当たり前だ、男にひどい目に合わされた人間は特に優先されてパライソに移住できる権利を持つ。
彼女とは涙を飲んで別れ、「いつか、必ず会おう。俺がパライソにいけるぐらい金持ちになるから。」と別れたらしい。
パライソが出来て2年ぐらいまでは何も問題はなかった。3年目にさし当たった頃大事件が起きた。それが皆さんご存知の「第一地上連続無差別婦女暴行事件」だ。年々女性が減り、風俗嬢もパライソへ移住し、まさに第一地上で性を発散させるのは地上に残った数限りある夫婦となり移住できない既婚女性と、その家庭の間の娘だけである。
そのことに気がついた一部のパライソへ行けなかった人間がデモを行い、結果、起きた事件だ。
結果的に、日本は格差が広がり、父親は必死に勉強し、お金を稼ぎ、イケメンになるための努力はたくさんしたが、当時の基準はものすごく高く、年収2000万以上でないとパライソに行けなかったようだ。
親父は25歳になったが、年収2000万なんて手がとどかないような社会情勢だった。
それがストロングゼロだ。
性を完全に封じ込められ、高級な嗜好品は全てパライソに上げられる状況で、ストロングゼロだけはコンビニに行けば300円程で買える。
親父は毎日のようにストロングゼロを浴びるように飲み、バイオエロ本を食べ、寂しい酒池肉林を楽しんでいたのだ。
親父は懐かしむようにこういう。
「あの時期はな、生きる気力なんてなかったよ。パライソに行けば救われると皆信じて勉強をしてな。でも突きつけられたのは土台無理なハードル。その高さにみなが絶望した。それを救ってくれたのがストロングゼロとバイオエロ本だけだったんだよ。間もなくしてパライソは人口密度が高くなりすぎて崩壊してな。それでお前の母親と再開して本当の生きる気力を得たんだ。」
そう言いながら、バイオエロ本を食べてストロングゼロを飲んでいたのが子供の頃の記憶で蘇る。
しかしパライソが残した爪痕は大きかった。
エロ本の表現規制のために食べることで性的欲求を解消しようとしたバイオエロ本と、ストロングゼロは今も規制されることなく生き残っており、このために日本は少子高齢化がさらに進んでいる。
今回の選挙では、この「酒とセックス」をどのようにするか、各政党も慎重にすすめているのがわかる。
パライソ党はどうやら少なくなった日本人を全てパライソに導きバイオエロ本とストロングゼロを日本人から遠ざけるようにするようだ。
こんな創作でもストロングゼロの物価が倍近く上がってて涙
ストロングゼロという訴求力よ