24h営業をしているチェーン店で働いている。飲食業界の人手不足が叫ばれているが、御多分に漏れず、わが店舗も慢性的な人手不足である。
今日で〇連勤~と嘆きながら働くフリーターや社員によってこの店舗は回っている。ちなみに増田は勉学に勤しむ学生であるので、その辺は勘弁してもらっている。
たまに「どうしても」と拝まれて出勤することもあるが、こちらもテスト期間に休ませてもらったりしているので、快くレジ打ちをしている。
全体的にどの時間も人手不足なのだが、特に深夜はひどい。深夜というお客さんが少ない時間帯なのに、それをさばけないくらいに人手が足りない。
となるとどうなるか。
増田から見ても彼らはとてもしんどそうで、就活を控える身としては、この企業の現場職として就職したくないと切に思う。
人手不足どうにかしろよ、基本自給1100円にでもしたら求人ホイホイだろ、と心で思ってもいるが、
増田はペーペーのバイトちゃんなので心に思うだけで留めている。
そんな感じで、「慢性人手不足症候群」に罹患している店舗なので、以前、深夜の時間帯に店を連日で閉めることが多かった時期がある。
純粋に人手が足りず、社員も限界で、どうしようもなかったのだ。
疲れ切った上司たちを横目に上がるのは少し引け目を感じていたし、ラストオーダー以降は、レジ打ちは徐々に暇になるからだ。
そんな日々が続いていたが、ある日を境に深夜閉店が減っていった。
聞いてみたら、深夜営業をしていないことに対するクレームが入ったためらしい。
上層部から指摘されてしまっては閉めるわけにもいかず、また深夜帯の超連勤が始まった。
この業界は"お客様"の声によって、過労死の仕組みが出来上がっている。大げさかもしれないが、この一件でそう感じた。
勿論、このような仕組は顧客の一存で成り立っているというわけではない。
クレームを真に受けて、本質を見損なった指示をする上層部と、NOと言えない現場も必要不可欠である。
一方、運送業や介護、福祉の人手不足は深刻な問題となっている。行政も手を打ち始めているところだ。
飲食店はライフラインではないので、休むか減らすかなどしても、社会にさほど影響がないのである。
影響がない、つまり、代わりの手段はいくらでもあるということだ。
終電を逃したら、タクシーで自宅まで帰ってもいいし、ビジネスホテルに泊まってもいい。満喫だってある。
数千円をケチって、この堅い椅子に座って数時間電車の始発を待つほどにお金に困っているなら、そもそも終電前に家に帰った方がいい。
始発を待つなんて無駄な時間を過ごさずに、布団に入って寝るほうが健康的で文化的だ。
人々にそのような寛容さと臨機応変さがなければ、飲食業界は疲弊していくばかりであると思う。
「お客様は神様だ」と言うが、結果的にこちらが疲弊する一方なら、無理に神様と崇めなくてよいはずだ。