中学の時、アトピーゾンビと同じく、アトピーゾンビウイルスに感染してる奴とクラスが一緒になった。
彼は顔と首の肌が赤く、カサカサと乾燥していた。首や体を掻く様は見てるだけで不快指数が高くなった。
おまけに重度のコミュ障で、声が小さく、挙動がキョドッテいて気持ち悪かった。
「こりゃ虐められるな」と思った。
クラスメイトの話によると、もともと明るい奴だったが、小学生の時にアトピーゾンビウイルスに感染して容姿が醜くなって虐められるようになり精神がおかしくなったようだ。
彼と話したことはないし、どんな人間なのかもよくわからないが、観察した限りでは悪い奴じゃなさそうだった。
だから僕は、彼を心の中でアトピーゾンビ二号と呼ぶことにした。
いつも無気力でだるそうな目をしていた。自分のしょうもない人生に嫌気がさしていたのだろう。
悲しいことに顔面偏差値は高かった。だから余計辛かったのではないだろうか。
アトピーゾンビは不細工なので諦観できているが、顔面偏差値の高いゾンビは辛いだろうな。
これさえなければ人生が楽しいのにといつも絶望していたのだろう。
クラスのほとんどが虐めに加担していた。無関心だったのはアトピーゾンビを入れて三人だけだった。
小学校が同じだった奴が中心となって虐めていた。手慣れていたので、おそらく小学生の時にも虐めていたのだろう。
虐めは精神的なものだった。肌がキモイ、風呂入ってんの?、ゾンビw、治るようにちゃんと努力しろよw、お前のまねw(肌を掻く真似をしながら)、無視などだ。
もちろんゾンビ二号を蹴ったり、ボールを投げつけたり、腕パンっていう遊びに強制参加させたりという肉体的ないじめもあった。
容姿に優れていて運動も勉強もできて教師の評判もいい奴が「お!こいつ虐めてんの!?俺も混ぜて!」と言って楽しそうに一緒に虐めてた。
そんなこんなで数か月たっぷりクラスメイトに虐められたゾンビ二号。
教師が教室にいないとき、クラスメイトの一人が「やったーwww」と両手を挙げて喜んだ。
それを見たクラスメイトがつられるように、
「ざまあみろw」
「もう学校こないでほしいww」
「また学校来たら虐めようぜw」
「いいねーw」
「ねー!不潔な自分が悪いのにね」
こんな感じのことをクラスメイトのほぼ全員が言いまくっていた。
教室が悪意に満ちた笑い声に満ちていた。
クラスメイト達の満足げで醜悪な表情をみて人間は醜いな。と思った。
同時に、次は自分が虐められる番なんじゃないかと恐怖と不安でドキドキビクビクして死にそうだった。
幸いにも虐められることはなかった。虐められなかった理由は今でも不明だ。
本当のことを言うと虐められなかった理由はなんとなくわかる。
家柄がよくて容姿に優れた恋愛勝ち組のクラスメイトに、「お前もやれよw」とボールをゾンビ二号に当てるゲームに参加させられた。
日々のアトピーゾンビウイルスのストレスを晴らすかのように思いっきりぶつけた。
ゾンビ二号は少し泣いていた気がする。
同じスクールカースト底辺の人間に虐められるのがつらかったのか、同じウイルスに感染している人間なのに自分は虐められてあいつはされない理不尽だ、とでも思ったのだろうか。
その後、アトピーゾンビはアトピーゾンビウイルスの痒みと痛み、受験期の激しい虐めが原因の鬱と対人恐怖と学習性無力感で見事受験に失敗。
アトピーゾンビ二号が今何をしてるかは分からない。人生に絶望して、もしかしたら自殺したかもしれない。まぁ生きているより、そっちのほうが幸せだよな。
中身全く読んでないけど、アトピー直せよ