スープカレーの話題が盛り上がっていて、思わず書きたくなってしまった。もう無くなってしまったスープカレー屋の話。
2本のエントリで触れられているように、2000年代前半から中頃にかけて札幌においてスープカレーブームがあり、雨後の筍のごとくスープカレー屋が乱立、その後現在は安定期ともいえる時期に入っていることは論をまたないだろう。
私は2000年代半ばから後半にかけて大学生~院生であり、スープカレーをよく食べに行っていた。
粗製乱造、とまでは言わないが、いたるところにスープカレー屋があった。ぱっとしない店もあり、それはすぐに消えて行く。
しかし本当においしいお店であっても閉店するものが結構あった。
飲食業は多くは長続きしないことは理解しているけれども、何か、スープカレー業界には美味しいだけではいけない固有の構造的な問題があるのかも、と勝手に思っている。
今日はそんな、もう無くなってしまった大好きだったお店の紹介。味のことはようわからんが。
やたら洋食っぽい味付けのカレーを出すお店。ライスの上にたまごとトマトをオムライス状に乗っけるという独創的なメニュー。2008年ころ閉店。女性オーナーがやっているせいか、スープカレー屋が醸す謎の東南アジア・インド感が全くない洒脱なお店だった。店主がどこかに修行の旅に出るのが閉店の理由だった気がする。近くに友人が住んでいて、大いに飲んだ次の日に歩いてよく行ったものだ。
和風スープ、トマトスープどちらも美味しかった。具が天ぷらだったり、二種類の辛味を追加できたり。あとここ、置いてあった漫画のセンスがとてつもなく良かった。弐瓶勉『BLAME!』とか渋いセンス。あと多分店員にジョジョ好きな人がいたんだろう。店内の音楽がジョジョのスタンド縛りだったことがある。2011年夏に閉店だった気がする。サヨナラの際に思い出を書くノートがあった。私も書いた。
札幌中心部から北に位置する繁華街麻生。その路地裏にあったお店。よくわからんがアジアっぽい味付けだった気がする。家庭教師をして疲れた時にふらりと寄った思い出のお店。
どれもこれも思い出の彼方だ。ガラムマサオ・チェルシー・スープカリー軒チャチャ…挙げるときりがない。今の安定期には、こうした今は見えなくなったお店の活躍がきっと、あったに違いないと信じている。
そしてこの記事書いていてすげーと思ったのは「食べログ」だ。閉店したお店の情報も写真とともにしっかり残っている。「食べログ」、現今の情報はもちろん、変転の激しい飲食店の変遷を克明に記録するアーカイブスとしても機能するのではないか。
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