2015-09-15

今更ながら札幌スープカレーについて

ブレイク必至と煽りつつ、札幌ローカル流行りに終わったスープカレー

今にして思うと、その頃のスープカレーは店によってあまりにもバラバラで、スープカレー定義づけることが出来なかったのが札幌の外に発信することが出来なかった理由のように思う。

幾つかのブログ掲示板に、「すげー美味いから食ってみろ!」みたいな書き込みがあったが、それらのどれもが、どういう味かを語れなかった。

そもそも、スープカレーとはから語らないといけないのだが、スープカレーがどんな食べ物かが誰もわからなかった。

たとえばラーメンを語る場合、そもそもラーメンという共通認識があり、醤油、みそ、塩、という味のジャンルもはっきりとしている。

スープカレーという認識がない。

カレーという言葉から普通カレーを、時にインドカレータイカレー想像してしまうので、スープカレーというジャンルトマトベースでこういう味といっても、文章で相手に伝えることは困難であった。

そんなこんなで約10年の月日が流れて今にいたるわけだが、その間にそこそこの数の店が東京進出を果たし、大衆に合う味を追い求め、ようやくスープカレーとはなにかが固まってきた感じがある。

ブームにはならなかったのは残念であるが、ようやく一つのジャンルになれた。

同時に没個性時代突入したのは残念であるが。

ここで、僕もやっとスープカレーについて語ってみようと思う。

まず名前がよくない。そもそもカレーではない。

スープカレーという名前がよくない。

カレーとは似つかない。エスニックで辛いポトフという表現が最も近い。

敢えて近い香りを選べばカレーのような香りというだけに過ぎない。

具がゴロゴロしていて、おかずにもなるスープというもの想像すれば正しい。

かつて札幌ブームになっていたころは、スープベースとなるのは鶏ガラベースにしたもの、魚介ベース、等々いろいろと個性豊かであったが、今日では豚骨鶏ガラ香味野菜というありきたりな組み合わせが主流になっている。

ウェイパーほど中華っぽくなく、味の素コンソメよりはパンチが強い、そんな感じのスープ想像していただきたい。

ここに、トマトニンニク唐辛子をつっこめば、香り以外はほぼ完成だ。

小麦粉は使わないのでトロミはないが、豚骨あるいは鶏ガラコラーゲンで乳化している場合が多い。

後述するが、スープカレーの客単価は低くなってきている気がするが、それはスープの改良、低コスト大衆の舌に合うスープ方程式確立したことと無関係ではないと思う。

スパイス構成

通常のカレースパイスは、辛味のほとんどがチリペッパー由来で、残りのスパイス香りと味を決定している。

そして、そのほとんどがターメリッククミンコリアンダーの3種類で決定され、残りのスパイスは隠し味のような感じだ。

チリペッパーを加えた4種類で、カレー粉の9割は出来上がっている。

スープカレーの特徴は、このなかのターメリックほとんど入らないことだ。

ターメリックとは、カレー黄色の正体だ。

特有ターメリックは泥臭さある。

油と小麦粉たっぷりルー仕立てでは、ご飯によく合うのだが、スープとして味わうときには、泥臭さが全面に出すぎる。

そんなわけで、スープカレービジュアル黄色みが少なく、赤に近い。

普通カレーには入らずに、スープカレーにはほとんど入ってくるスパイスとして、焦がしバジルが特徴的であるスパイスと言っていいか微妙だが。

具材

ポトフおでんのように、スープと具が一つの鍋に泳いでいるわけではなく、スープだけ寸胴からとりわけ、具は別に用意する店がほとんどである

肉系から一つ、野菜が数種類、ゆで卵、というのが基本形。

肉系(チキンレッグ、ラム、豚バラ)等は固まりのまま煮込んだものスープに乗せる。

野菜素揚げか茹でたものを乗せる。

茄子ピーマンカボチャ素揚げが多く、ニンジンブロッコリーは茹でたものが具となる。

ジャガイモ素揚げ場合もあるし、茹でたものという場合もある。

オクラレンコンなどが入る場合が多いのもスープカレーの特徴か。

値段設定

当初に比べて値段設定は安くなってきている。

物価設定、とくに食物においては安い北海道において、1300円くらいの強気の設定をしていたが、東京に進出しても値段据え置き、あるいは低価格化の印象。

それに伴い、一食の量も減った感じはある。

具材も巨大なものがゴロンゴロンというのが売りだったが、食べやすくこじんまりとした。

異端児マジックスパイス

下北沢マジックスパイスは、いまだに強烈な個性を保っている。

スープカレーですらないマジックスパイスという食べ物しか説明がつかない。

赤くも黄色くもない、透明に近い強烈な中毒性の高いスープと、スカっとした辛さ。

キャベツ大根、揚げ春雨という謎の具。

スープ香りオレガノ

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    • そうそう。 6種類もスパイスがあればカレーは作れるし、そのほうが何十種類も使うよりもキレがあって美味い。

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