バイアグラはED治療薬の代名詞的な存在だが、最初に発見されただけあって効果、持続時間などが後に出てきた類似薬品に比べると弱い。そもそもあれは狭心症の治療薬として開発されたが、治験の結果がはかばかしくなかったため。その目的に使われなかった薬なのだが、なぜか治験後被験者が残った薬を返却したがらない。どういうわけか調べたら「ナニがビンビンになる」という事実が判明したといういわくがあったりする。
そんな事情で「夢にまで見たインポの薬」になったわけだけどその後、バイアグラの改良品的な薬が幾つか開発される。
バイアグラは、性交一時間以上前に飲む必要があり、効果の持続は5~6時間である。ということは、夕食後服用し、就寝時間にパートナーとの行為に役立て、一晩寝て朝二人で目覚めた時に昨夜の余韻で愛を確かめようとした時に役に立たないという事が起こりうるのだ。
バイアグラのあとに発見された「レビトラ」は、服用は行為の30分前でOK。持続時間は5~10時間と、いろいろ改良されてる。さらにその後に発見された「シアリス」になると24時間~36時間効果が持続するのである。今の時代、効きが遅くて持続時間も短いバイアグラはすでにED治療薬の代表とはいえないのではないか。
ED治療薬は処方箋薬であり、医師に相談して処方してもらう必要があるのだが、なぜか個人輸入(代行業者含む)ではノーチェックで買える。さらにインドの製薬会社が作る「ジェネリック」品だとバイアグラの正規品などと比べるとびっくりするほど安い。これはインドの法制度の問題で、開発に巨大な費用がかかる元々の製薬会社の努力、コストを台無しにする悪しき抜け道でもあるのだが、安くて効果があるのは確かなのである。
というわけで、10時間以上効くレビトラのジェネリック「バリフ」、36時間効くシアリスのジェネリック「タダリス」などは20~30錠で3000円以下の値段で買えたりするのだった。
20代~30代程度の普通の男性は通常EDという問題をあまり意識しないだろうし想像しにくいと思うのだが、40台後半あたりになると結構セックス中の勃起持続力が落ち、「セックスしているにもかかわらず性器がみるみる力を失って継続不可能になったり、エロ本等のおかずで気持ちいいオナニーをしようと思ったのに、ネタ選択中に縮んでしまっていくら頑張っても復活しないなどの症状が出てくる人は案外多いと思う。そういうときに、飲むだけで実際出来る状況になる薬品って結構すげえと思ってしまう。
もちろんこの種の薬には各種副作用が報告されていて、中でももともと狭心症治療薬として開発されたことから、そっち方面に影響が出るので、ニトロなどの狭心症治療薬との併用は禁忌であり、ED治療薬服用中の心臓疾患で病院に運び込まれた際、それらを服用していることを告げずに治療されてしまうと重大な結果を生じることがありうる。なかなかにスリリングな一面を持つ薬なのである。
なお、僕自身はバリフとタダリスを個人輸入して試してみたのだが、心臓や血圧の違和感はなかったものの、これらの治療薬を服用したあと、効果持続時間の間食べ物を飲み込みにくくなり、飲み込んでも胸につかえた感じでたいそう苦しいという症状が発生した。特に36時間持続する「タダリス」を飲んだ際は、2日以上に渡って通常の食事のたびに飲み込むものがことごとく胸につかえて苦しいという状況に陥った事実を記録しておく。それ以後は10時間程度で効果が薄れるバリフを購入し、夕食後、10時間以内に食事しないで済みそうなタイミングで利用している。