2011-05-04

過去は変えられない

元カノブログを読んでいた。去年の暮れに自殺したしい

去年の頭からほぼ毎日更新されていて、読んだ漫画、観た映画DVD感想twitterログ買い物日記、そして日常のあれこれがずっと綴られていた。

DVD感想twitterログは量が多すぎて読み切れなかったが、日常のあれこれは一応全部目を通した

彼女仕事休職し、精神科ジムに通い、自分理想現実のギャップに苦しんでいた。

俺は一昨年の春に彼女と別れ、しばらくして彼女との連絡を全て絶った。携帯の番号もメアドも消去した

俺自身も心療内科に通い、無気力な生活を10ヶ月あまり過ごした彼女は俺と別れてしばらくしてから休職したしい

俺は時間をかけていろんな事を忘れることに費やした自分彼女を傷つけたことも、彼女に傷つけられたことも。そうしないと生きていけなかった。

ブログを書くこともやめ、別アカウントハイクtwitterをやっていた。彼女ハンドルを変え、どこかでブログをやっていることは知っていたが、見に行くことはしなかった。

彼女ブログには俺に対する批判めいたことはほとんど書かれていなかった。少しくらいはあったが、彼女にしてみても書いて嫌な気分になりたくなかったのかもしれない。あるいは関わりになりたくなかったのかも。俺はその間、彼女に関して一言も書くことはなかった。正直、後ろめたい部分もあった。彼女を決定的に傷つけてしまった、という想いがどこかにあった。

俺の親友彼女のことをとても嫌っていた。「あいつがアンタを壊したんだ」とも言った。それは一つの事実かも知れない。でもそれは俺も同じだ。そして俺は別れたあともしばらく彼女を愛していた。やり直せるものならやり直したかった。でも俺にはその力はなかった。自分一人を支えきれない人間が、他人を背負い込めるはずもない。だから俺は彼女を切り捨てた。出来うる限り彼女から逃げた。

一度関係を修復するチャンスがあった。しかし俺自身のミスでそのチャンスは損なわれた。向こうがそれを望んでいたかは分からない。むしろ迷惑な話だったかもしれない。

そうして俺の生活から思い出や未練が無くなっていった頃、遠くの方から彼女が死んだ」という話が聞こえてきた。

彼女ブログの最終エントリーは、遺書だった。

それからそのブログを頭から読んだ。苦悩と苛立ちと、何かの諦念を纏った日常がそこには書かれていた。

時々あげられている自分撮りの写真を見て驚いた。「うつ太り」という言葉があるが、俺と付き合っていた頃のスマートさは完全に損なわれていた。ストイックで規則正しい生活を送っていた頃の彼女面影はそこにはなかった。

それが俺のせいだなんておこがましくてとても言えない。でも俺はそんなになるまで病んでいた彼女を知らなかった。知ろうともしなかった。彼女家族や友人たちは、おそらく俺のことを快く思っていないだろう。俺はネット上の名前を変え、何事もなかったかのようにお気楽暮らしを続けていた。時々心療内科に通ってはいたが、おおむねその日暮らし自分勝手暮らしに終始していた。「病んでいる」の程度で物事を測ることは出来ないのかもしれない。でも俺は死なずにここまで来た。怒られるのを承知で言うと、彼女を切り捨て、名前を変えた事によってむしろ楽しく生きてこられた。

そうして彼女はこの世から失われた。大好きだったハリーポッターの完結も観ずに。

俺に何かが出来たとは思えない。多分向こうも関わっては欲しくなかっただろう。病人同士が顔を突き合わせても憎み合いか共倒れになるだけだ。

それでもどうしようもない無力感から逃れることが出来ない。泣くことすら出来ない。死ぬ事も出来なくなった。

これからどうしたいかははっきりしていない。ただ同じ過ちはしたくない。何かあったときに誰かを支えられるだけの力が欲しい。今の俺はあまりに無力だ。カネもコネ権力もない。心の包容力さえない。今からでは遅すぎるのかもしれない。いや、遅すぎる。しかし俺は強くなりたい。こんな想いはもうたくさんだ。

いつか俺に守りたいと思う相手ができたとき、少なくとも今よりましになっていたい。詐欺師みたいに口先だけで誤魔化していくのはやめにしたい。そのために今日も死なずに生きていく。彼女は戻っては来ない。俺はまだ向こうには行かない。あがき続ける。過去は変えられない。未来は分からない。今を一生懸命やるだけだ。

  • 謝罪してくれませんか。

    • 「死に至る病の植え付け者」だなんて 両親のことかな? 神のことかな? ってわくわくしながら元増田読んだのに 全然違ってがっかりしたわ

  • http://anond.hatelabo.jp/20110504030244 あなたは僕が誰で僕の言う「彼女」が誰のことがお分かりのようですね。彼女のご友人でしょうか?ご家族の方でしょうか? 彼女が自ら命を絶ち、その大...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん