2011-01-23

既卒者を新卒として扱うという話と定年延長と年金受給開始年齢の先送り。

就職浪人が毎年大量に発生していて、既卒者を新卒として扱っても、根本的な解決にはならないのだが年金制度破綻を先送りできるという点において、年金受給開始年齢の先送りは有効であり、それを正当化する手段として、定年延長があり、その入り口として、既卒者を新卒と同じにするという話が出てくる。

定年延長が必要なのは解雇が無い公務員世界だけの話である民間企業では、既に定年という概念自体が消滅している。海外進出する際に、海外法人子会社とするので、転籍・出向が普通に発生し、採用された所に定年まで居続けるのは、それこそ、中央省庁地方公務員だけとなっているのである

しかし、それらの民間企業においても、定年延長は賃金予算に、年金受給開始年齢の先送りは、逃げ切り体制に入っている中年から定年退職目前の高齢者達に対して影響を与える話である

平均寿命の増加に伴って、年金の支給総額が膨らんだのは、年金の受給開始を平均寿命の90%等の、無手順で変動させられる仕組みにしなかったのが原因であるし、年金制度は、本来は、滅私奉公を要求される公務員に対しネポティズムを否定させる為に、個人の家ではなく、国家という家に依存させるという点で恩給制度が必要であり、赤字でも運用しなければならない必然性があったが、国民全体にそれをそのまま適用するというのは、明らかな間違いであった。

こういった間違いを改めることこそが年金改革なのだが赤字を埋める為の財源を確保する話が先に来て、制度の改正を先送りにし、時間を浪費するというのが、繰り返されてきたわけである

今回も、ちゃくちゃくと外堀を埋めているつもりなのであろうが、制度の根幹にある欠陥を放置しているという点に、国民は気がついている。

既卒者を新卒扱いするとしても、肝心の就職口が、本当の新卒者を全部雇いきれるだけ存在しない。つまり、毎年、半分くらいの新卒者が就職浪人となり、そのまま、非熟練アルバイト無職者となり、NEETとなるのである

たとえば、最低賃金アルバイト牛丼屋やフリース屋でフルタイムで働くと、月収で14万円くらいになるが、この月収では、親元に寄生しないと暮らしていけない。当然、結婚もできない。部屋を借りて二人暮らしをやろうとすると、家賃や公租公課を支払った帳簿を元に確定申告をして、その書類を持って生活保護を申告すると、受給資格者として、家賃補助や健康保険の無償供与年金の納付金額の割り引きが発生する。しかし、同時にアルバイト先に指導が入り、フルタイム人間生活保護を支払わなくて済むような賃金を与えろという行政指導が行われる。

ここで行政指導したがって賃金を上げるようでは商売を続ける事は出来ない。アルバイト解雇して次の、生活保護を申請しないようなアルバイトを雇うことになる。恋人妊娠していようが離婚する羽目になろうが関係ない。

解雇されたアルバイターは、無職になった事を生活保護課に伝えて生活保護を満額貰うしかなくなるが、仮に生活保護が出たとしても、健常者だと最長1年間しか受給できないし普通は、離婚による再出発を説得される。前の職場は納税記録から探れるので、解雇理由を問い合わせれば、生活保護関係で解雇されたという話はすぐに調べがつくので、どこの求人に応募しても職は見つからないとなり、結局、男は親元に戻るしかない。納税記録の保管期間が終わるまで無職を続けた場合無職期間が長いからという理由で企業採用を拒絶することになる。

企業にとって、雇われ店長となる人間は一定数必要である新卒採用された幸運な若者にこの仕事が割り当てられ、新卒採用されなかった不幸な若者低賃金アルバイトとなって使い捨てられる。

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