2023-09-08

TRPGを辞めた話

TRPG関係日記を読んで色々と共感したり、「ああそうだったなぁ」と思い出したりしたので整理の為に書き散らしてみる。

  

ここ数年そこそこに熱中していたTRPGを辞めた。

理由は色々とあるが、TRPGをすることにより得る楽しさよりストレスの方が大きくなったからだ。

私が一緒に卓を囲んでいた友人は、元々は別の趣味で繋がったコミュニティ人達だった。私は最初TRPGにまったく興味がなく、精々がリプレイを読んだことがあるくらいだった。

ある時、趣味コミュニティに属する数人がオンラインTRPGセッションを始め、その感想TwitterのTLに流し始めた。最初はポツポツと。次第にツイートの量は増え、気がつけば元々の趣味ツイートよりもTRPGツイートの方が多いくらいに。

周囲の友人が楽しそうなことを始めたら、混ざりたくなるのが人情というものだろう。

私がやってみたいと声を上げれば、コミュニティ人達は歓迎し卓を立ててくれた。  

  

初めてのTRPGセッションはとても刺激的で、楽しかった。

クワクするシナリオの導入、自分が格好良いと思うキャラクターを生み出すキャラメイク

ダイスを振って出た目に一喜一憂し、シナリオの謎に頭を捻り、思いも寄らぬ驚きの展開に驚愕する。

操作するキャラクターと共に物語主人公として危険に立ち向かい、息も絶え絶えになりながらエンディングへと辿り着いた時には、すっかりTRPG面白さに嵌まっていた。

何より仲が良かった人達リアルタイムで一緒に遊べることが嬉しく、楽しかった。  

  

そこからは一瞬だった。沼に嵌まった、というよりは沼に飛び込んだといった方が適切だろうか。

何回かセッションにPLとして参加した後、おっかなびっくりGM立候補してシナリオを回して。

最初GMなんて出来るわけないと思っていたが、一度経験すればハードルは下がる。

PLとしてシナリオに参加して、GMとしてシナリオを回して、PLをして、GMをして……。

その頃にはTRPGをする仲間も増えて、暇があれば予定を埋めていた。

こんなに熱中できる趣味なんて本当に久しぶりだった。あまり面白くて、もうずっとTRPGを続けるんじゃないかと、辞めるタイミングなんて無いんじゃないかとさえ思った。

セッションはテキセ――テキストセッションテキストチャットでやり取りをする方式――オンリーだったので、歳を取ってからも出来るし、一生もの趣味になりそうだと思っていた。  

  

そんなTRPGが、いつしか、楽しくなくなっていた。

魅力的なシナリオも、一緒に遊んで楽しい仲間とのセッションも。

発端は何だったろうか。まず最初は、忙しさだったと思う。TRPG面白くて、面白くて、いくつもセッションに参加して。週の3~4日、多いときは週6ぐらいセッションをしていた筈だ。

やっていたシステムが人気があったものだったため毎週毎週面白そうなシナリオが発表されていて、あれもやりたいこれもやりたいと毎日セッションをしても消化が追いつかないくらいだった。

流石にリアル生活破綻を来す程ではなかったが、可処分時間の大半を突っ込んでいた。そうしてセッションをして、セッションをして、セッションをして。

楽しんでやっていた筈のそれが、いつのまにか義務のように、作業のようになっていた。

その違和感にふと気付き、あれ、何やってるんだろうと思ったのが一つ。  

  

次に、嫉妬を覚えるようになった。

人間関係にだったり、趣味に向ける熱量の差にだったりだ。

例えば、仲の良い人が参加しているセッション自分が呼ばれていないに疎外感と嫉妬を覚えた。

今思えば些細なことだ。コミュニティにはそこそこの人数がいたので、毎回同じ面子セッションをすることは無かった。

自分が参加する時だって、「前回はこの人を誘ったから、今回は別の人を誘ってみよう」といった調整は普通にしていた。そこに悪意なんてなかった。

だが当時は自分が誘われていないセッション感想をTLで見る度に、「楽しそう」「自分は誘われていないのに」「一緒に遊びたいと思われていないんだ」といったネガティブ感情を抱いていた。

それを自分の中だけに抱え込んでいたのも良くなかったのかもしれない。

寂しいと伝えれば良かったのかもしれない。今となってはもう遅いだろうが。

  

例えば、他の人達シナリオ作成に手を出しているのに嫉妬を覚えた。

「こんなのが作りたい」「こんなものを書いてる」

それが1人だったらまた違ったのかもしれない。だけどその人に触発されてシナリオを書く人が何人も出てきた。

自分もまたその1人だった。

ネタを集めて、構想を考えて、文章を書いて整形して。1つ、シナリオを書き上げることは出来た。

習作として、人を誘って回して、楽しいとも言って貰えた。勿論それは嬉しかった。

でもそれだけだった。自分ではまったく面白さに自信が持てなかったし、シナリオを作るのが苦痛だった。

凡百のアイデアしか出てこない、構想を練るのが難しい、どれだけ雰囲気を出そうとしても稚拙文章になる。

シナリオを書くことを楽しめなくて、遊びきれない程のシナリオがあるのだから自分が書くことの意味を見出せなくて、でも周りの人達は楽しそうに幾つもシナリオを書き上げて行ってそれが楽しそうなのが心の底から妬ましかった。

自分創作気質ではなかったというそれだけの話だ。面白いモノを作らなくちゃいけないという妄執に囚われていただけというのもあるだろう。

ただ人が楽しそうにしていて、それに参加出来ないことが寂しかった。

  

そんな感じでストレスが溜まっていった結果、TRPGが楽しくなくなるだけではなく、他人にも当たるような行動・言動が出てきた。

それを自覚した時、このコミュニティにいることは自分にとっても良くないし、何より周囲に迷惑だろうと思い、コミュニティからTRPGから距離を取ることにした。

TRPGは楽しかったし、コミュニティもまた楽しかった。時間を多く費やしたこと自体にも何ら後悔はない。

ただもう当面はTRPGをしたいとは思えない。コミュニティを探して飛び込むのも、どうだろう。

自分嫉妬深く自己中心的な性根を変えなければ、また同じことになりそうな気がする。自分が傷つくのは良いが、周囲に迷惑をかけるのが申し訳ない。

1つ悪いことをしたなと思うのは、何も言わずコミュニティを抜けたことだ。その当時は、今の心境では何か言葉にすれば相手非難する形になっただろうとひっそりと消えようと思った訳だが、今にして思えばそれもまた自分本位の行動だった。  

  

いつかまた、TRPGを遊びたいと思う日が来たりするのだろうか。すると良いなぁ。当面は1人遊び出来る趣味満喫することにする。直近はAC6が楽しい

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