2013-06-21

マタハラについて隣の部署を見て考えたことをつらつらと

最近ニュースマタハラという単語をよく聞くのでつらつらと書いてみます

マタハラ、それはマタニティハラスメント

妊娠した女性妊娠理由に嫌がらせをされたり、退職に追い込まれたりすることです。

働く女性が増えた昨今社会問題化しています

仕事で書類のやり取りをしている親しい部署での出来事です。

そのチームは男性総合職五人、女性一般職三人が働くチームでした。

女性の内訳は、

総合職の補佐をするAさん(既婚)

総合職の補佐をするBさん(独身

総務関係をしているCさん(既婚)

の三名でした。

三名が働いていた頃は、繁忙期には残業もあったもののそこまで遅くなることはありませんでした。人数と仕事バランスが取れていたといえます

まずCさんが産休育休に入りました。期間としてはおよそ一年半。

Cさんが担当していた総務の仕事は、三人の中でも一番少なかったため、Bさん中心に引き継ぎましたが、そこまでの負担にはなりませんでした。

残業時間は当然増えたものの、残業代も出たためBさんは増えたお金ショッピングをしたりと楽しそうにしていました。

少し心配していたものの、チームは回っていましたし、提出される書類のクオリティは落ちていなかったので安心していました。

しかし、一年弱たったところでした。

Aさんも妊娠し、産休育休に入ることになりました。

これは困りました。Cさんに比べるとAさんの仕事量は多かったのです。

しかし、補充要員はいません。結果、AさんはBさんに全てを引き継ぎ、同じく一年半の休暇に入りました。

それからのBさんは本当に大変そうでした。一人で三人分の仕事をしているわけですから当たり前です。

提出される書類のクオリティも落ちましたし、締め切りにも遅れることも度々ありました(こちらとしては余裕を持たせて締め切りを設定していたので、なんとかなりましたが…)

それでもBさんは頑張りました。あと半年経てば、最初に休暇に入ったCさんが戻ってくるからです。

そして、Cさんが戻ってきました。

Bさんはホッとして、本来Cさんが担当していた総務関係をCさんにお返しすることにしました。

が…

子供を持つ母親であるCさんは時短勤務のうえ残業は一切しません。もちろん途中で早退することもあります

結局Bさんの総務仕事は半分くらいしか引き継ぐことが出来ませんでした。

あと半年…更にあと半年待てばAさんが帰ってくる。

あと少しなのですが、Bさんは限界でした。ついに体を壊して入院してしまいました。

今、このチームの仕事は全く回っていません。実務をよくわかっていない男性総合職ギリギリ作成した書類はクオリティが著しく低く、私が何度も手直しすることになっています

以上が産休育休を取得した女性とある職場風景です。

ちなみにこれでもいわゆる大企業で、学生が選ぶ就職人気ランキング(笑)上位に位置する企業です。

ついでに子育て応援事業所とかそんな大層な称号もついてます

どう思われますか?

色々問題点はあったと思います

男性総合職もっと手助けできたのではないか

なぜ都度都度業務の効率化を図れなかったのか?

そもそもなぜ補充要員がいないのか?

こんな状況を見て誰が喜んで産休育休に送り出せるのでしょうか?

これでBさんがイヤミを言ったらマタハラと叩かれるだなんて、あまりにひどい話じゃないですか。

少子化社会の問題であり、子供社会全体で育てるべき。

理想はそうでしょう。ただ、Bさんにそんなことは思えないでしょう。

なぜ他人の子供が育つために体を壊さなくてはならないのでしょうか。

妊婦受動喫煙させたとか、わざと重いものを持たされたとか、そういうのはただの傷害罪であり、人として論外なのでマタハラ以前の問題です。

妊娠を理由に仕事をやめさせられたり左遷される女性は可哀想かもしれませんが、

職場産休に入る人のせいで体を壊したり無理をしたりする女性は可哀想ではないのでしょうか。

「休むの?!」「また生むの?!」「だったら辞めてよ」

そういう言葉が出てきてしまうのは、誰かが負担になっているからです。

負担にならない仕組みを作れる管理職の方がいれば良いのですが、

いなくなった人の仕事効率的に配分して残ったひとに過度な負担のかからない仕組みを作れる有能な人を見たことはありません。

そしてそもそもそんな事をしたら間違いなく産休に入った人の戻る場所はなくなってしまます

出産というおめでたいことをお祝いできないのは自己中だというご指摘もあるのかもしれません。

しかし、おめでたいことはBさんが身体を壊す正当な理由にはなりません。

会社がきちんと補充要員を用意すれば良いのでしょうが、そんなお金に余裕のある会社ばかりとも思えません。

補充要員ということは産休の人が戻ってきたらクビを切るのでしょうか。

派遣社員問題化している昨今、躊躇する会社もありそうです。

会社自身に自助努力お金を捻出しろというのは酷な話です。

行政子ども手当やら育休三年やら考える前に、補充要員にかかる費用を補助する仕組みを考えて欲しいと思います

補充要員は二年程度で用が済むので、結局、派遣で雇うしかありません。

派遣される側の雇用安定のために登録型派遣ではなく常用型派遣で確保出来れば一番です。

増える負担善意でまかなおうとするから人間関係に軋みが出て、心無い言葉をかけたり辛い態度をとるマタハラが起きてしまうのです。

私の部署でも今年の9月から一人産休育休に入る女性がいますが、補充要員はナシ(Aさんが退職すれば補充要員アリ)

私もいつBさんとおなじ状況になるかわかりません。

ある程度の負担覚悟していますが、身体を壊すまでにはなりたくないなぁと思います

下手に話すとイヤミ一言も言いたくなるかもしれませんので、最近その女性とは距離を置くようにしています

マタハラは周囲の心構えが悪いのではなく、そうせざるを得ない会社の仕組みや、果てや行政が悪なのです。

もし、マタハラをしてしまいそうになったら妊婦本人にストレスをぶつけるのではなく、会社を悪い思うようにすること。

そして妊婦の方はもし周囲から何か言われても(先述した傷害罪に当たるようなことはさておき)周囲は貴方が憎くて言っているわけではなく、会社の仕組みや制度に不満があるのだという目で受け止めてあげて欲しいのです。

人の親になる以上、自分立場がつらいとき、身近な人に辛い態度をとってしまうことがあるというのは人間ならある事なのだと、知っておいて欲しいと思います

マタハラに悩む方は、周囲がマタハラをしてしまう現状にはこんな現実があるということを知ってくださると、少しは気持ちが楽になるかもしれません。

それでも理解できない!というのならこう考えてください。

貴方が居なくなって困らないならイヤミなんて言いません。

あなたが今までやってきた仕事が立派だったので、その穴が生まれてしまうことを嘆いているのです。

イヤミの裏にはあなたがやってきた仕事を認める意味があります

あなたがいなくても仕事平気だから」と言われることは、暗に、「あなた会社に要らない人間だ」と言われてるに等しいことです。

そう前向きに捉えてみてはいかがでしょうか?

長くなりましたが以上です。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

  • http://anond.hatelabo.jp/20130621134049 マタハラをするのは補充要員を入れない会社が悪い。 辞めてくれないと補充要員入らないんだから、嫌味言って圧力かけて辞めさせても仕方ないよね☆ で...

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