はてなキーワード: 英霊にこたえる会とは
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公人においても公私を区別するべきだという論点がある。これは第66代総理であった三木武夫が1975年(昭和50年)8月15日、総理としては初めて終戦記念日に参拝した際に、私的参拝4条件(公用車不使用、玉串料を私費で支出、肩書きを付けない、公職者を随行させない)による「私人」としての参拝を行った。これに対し靖国神社法案を断念した神社本庁および日本遺族会は、「英霊にこたえる会」を結成して、「首相や閣僚による公式参拝」を要請する運動を展開する。靖国神社に対して玉串料などを公費で支出した参拝は、第72代総理であった中曽根康弘による1985年(昭和60年)の参拝が訴訟の対象となり(後述)、1992年(平成4年)の2つの高等裁判所判決で憲法の定める政教分離原則に反する公式参拝と認定され、これらが判例として確定、明確に違憲とされており、これ以降の議論は「私人」としての参拝が許容されるものであるかどうかを巡っての解釈の問題となっている。
「国政上の要職にある者であっても私人・一個人として参拝するなら政教分離原則には抵触せず問題がない」という意見がある。これは、公人であっても人権的な観点から私人の側面を強調視するもので、「首相個人の信仰や信念も尊重されるべきであり、参拝は私人とし行われているものであるならば問題がない」という立場をとっている。「アメリカのように政教分離をうたっていながら、大統領や知事就任式のときに聖書に手をのせ神に誓いをたてることは問題になったことは一度もない」ということも論拠の一つに挙げられている。
一方、「公用車を用い、側近・護衛官を従え、閣僚が連れ立って参拝し、職業欄に『内閣総理大臣』などと記帳するという行為は公人としてのそれであり、政教分離原則に抵触する」という意見がある。こちらは、実効的な観点を重く取り上げ、「首相が在職中に行う行為は私的であっても、多少の差はあれ、全て政治的実効性を持つため、私的参拝であっても靖国神社に実質的に利益を与えるものだ」として問題があるとしている。
第87 - 89代総理・小泉純一郎は、2001年(平成13年)8月13日の首相就任後最初の参拝をした後、公私の別についての質問に対し「公的とか私的とか私はこだわりません。総理大臣である小泉純一郎が心を込めて参拝した」と述べた。これ以降、特にこの論点が大きくクローズアップされている。但し福岡地裁の判決後は私的参拝であると表明している。 小泉純一郎首相による参拝以降、参拝客が急増した現象についてはマスメディアの報道が大きく影響しているとの意見もある[18]。