はてなキーワード: 戸田中央総合病院とは
民間病院のコロナ患者受け入れ率が低い状態で医療崩壊などというのはけしからん、といった風潮を感じるようになった。
実際民間病院のコロナ受け入れ率は2割程度で、8割近くベッドがあいてるじゃん、そこに入院させなさいよ、という事であるが、これがどれだけ荒唐無稽か説明してみたい。
コロナの治療自体はこういった病院でも概ねできるだろう。ecmoみたいな特殊技術じゃなければ、最近の若い医者はみんな人工呼吸器の使い方くらい知っているし、そもそもコロナに特効薬はないので、薬の使い方も決め打ちで頭を使わなくても済む。じゃあ何故受け入れないかといえば、戸田中央総合病院の例を見れば明らかで、感染対策が難しいのだ。万全の対策には相当頭を使うし、ルールが決まっても皆が守らない事には意味がない。職員全員の練度が求められるのだ。そんなクオリティを担保できる病院がどれだけあるかといえば、今コロナを受け入れている病院以外は軒並み非適当だろう。
あなたが飲食業だとしよう。高級店で働いていれば問題ない。市井の大衆店で、そこの席空いてるなら、じゃあ料理は高級店が指導するから、客に高級店と同じような満足度を与えろと急に言われるようなもんだ。
あなたが運送業だとしよう。普段家庭向けの配送をしているところに、トラックが空いているなら、指導するから高級絵画を美術館間で配送しろと言われるようなものだ。
国内のルート取引がメインの商社マンに、指導するから中国ルートを新規開拓しろ、というのだ。
もちろん出来るところは出来るのだ。しかし、できなかった時、つまり院内クラスターが発生した時、こんな病院で働いてられるかとスタッフは一定数離職するだろうし、あそこの病院はやらかした所だから、といった噂はしばらく病院経営に陰を落とすだろう。ただでさえ病院が潰れてもおかしくない時代に、あえてそんなリスクに手を出す民間病院が2割もいる事に驚きつつも、受け入れている病院への畏敬の念に堪えない。
コロナを受け入れていない8割の病院も、コロナ以外の病気を治療するために、コロナ受け入れ病院から流れてくる患者を普段の業務に加えて受け入れているのだから、人的にも物資的にも余裕があるわけでもない。どこぞの教授が言っているようにインセンティブさえあれば受け入れるというものでもない気がするのだが。
現状コロナによって確実に医療は崩壊に向かっていて、これはどこかをチョチョイといじればなんとかなるというものではない。唯一確実な方法は、新規感染者を減らし、感染の収束を待つしかないのだ。