2024-08-22

自社サービスより下手なSIerの方が動きやす

https://comemo.nikkei.com/n/n84d2b6b03d3c

>現職(SIerSES)では、仕様などがトップダウンで指示されますよね(自分から意見できませんよね)。弊社のこのポジションでは、トップダウンで指示が来るだけでなく、提案もできます

とあるが、現実問題提案は難しい。小さい会社ならともかく、大手事業会社では膨大なステークホルダーがおり、それら全員にハンコリレーをして回るのは不可能に近い。何故なら最初に貰ったハンコが途中で失効するからだ。そもそも各部門とのコネクションを得るだけで膨大な労力と時間が掛かる。

また社内受託状態になっているとリファクタリングでさえ、発注内容に存在しない概念なので気軽に行うことはできない。仮にチャンスを得ても動き次第では実装した人間メンツも潰してしまうので信頼を失うことさえあり、そういった文化がなければ容易ではない。

対してSESSIerは余った時間は基本何をしてもいい。これは大抵の場合顧客自分契約が準委任などの形で時間清算になっているためだ。社内受託場合は早く終われば追加の案件が振ってきて手を止める暇もないが、SIerはあらかじめ範囲が決まっているため、地面から突如湧いてくるケースは炎上案件を除き存在しないし、炎上案件でも火消しのための改善経験上、受け入れられる。上流側の基本設計要件定義がザルなら下流から叩きなおし、顧客に直談判することすらやりようによっては可能だ。実装した人間しょっちゅう入れ替わるのでメンツもクソもないし、仮に残っていても妙なプライドを持つ人間は多くない。

事業会社では自社で抱えている社員限界まで使い倒すのが狙いなのもあり、これが難しい。外注を入れると高くつくのでギリギリの人数で仕事を回していると余白がないのだ。逆に入っている側の人間は明確な義務がないので自由に動ける(SES会社との関係悪化が起きるとよくないので使い潰すような動きはしない)

転職活動中に複数から意見を聞いたが、外部向けにアピールしているボトムダウンやら改善活動は人を集めるための方便・綺麗ごと、常識的に考えれば事業成長が優先でやる暇などないよ、と言われたので恐らくどこもそうなのだろう。

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