みんな台風大丈夫?こっちでは降ったり止んだり、なんか風は強いな〜くらいの感じだけど。ともかく安全最優先で。
早速掲題について。これは定期的に話題になってるやつで、自分の中ではだいたい結論出てるんだけど、一回簡潔に整理しておこうかなと。
ここで取り上げるのは、
「過度な露出は痴漢被害の危険性を上げる。自衛のために、過度な露出を控えろ」
という意見です。
まず、そもそも過度な露出が本当に痴漢被害の危険性を上げるかどうか。
地味な服の方が気弱そうに見えて狙われやすいという説も世の中にはあり、どんな服装が危険性を増大/低減するのか明確ではない。
最低限被害者の服装の統計か加害者の供述の統計でもないと、議論の出発点からしてただの決めつけでしかない。
次に、仮に露出度の高さで被害が増えるというデータが実際にあったとしても。
・相手がどんな服を着ていようが、痴漢はした側が10:0で悪い
これは自明な前提として共有できてるはず。
そして、リスクがあるとしてもどこまで自衛するかは個人の決める領域であって、ごく近い関係性にある人が言うならまだしも、他人が口を挟むことではない。
以上から、「自衛のため過度な露出を控えろ」という意見は妥当性も不明なお節介でしかない。
というだけの話なのに、じゃあなぜこんなしょうもないご意見が定期的に出てくるのか、についての勝手な推測。たぶん独自性もない。
「痴漢冤罪への恐怖の習慣による症状」説。
過度な露出をしている→ひとより自分の"性的な価値"に意識が向いている→偶然の軽微な接触で自分を犯罪者に仕立て上げる危険性が高い
という判断を(正しいかはともかく)意識的ないし無意識的にした結果、電車で露出の多い格好をした女性をいくらか警戒する日々を繰り返す男性は結構いそう。
それで、「痴漢」「露出度が高い」という情報に触れると、恐怖の感情で条件づけられて「女が悪い」というところまで"わかって"いるから、直させないといけないような気になってるんじゃないか。
もしくは、痴漢の選別の基準と自分の警戒の基準を混同して、露出即痴漢という本来存在しない因果関係を錯覚してるただのお節介な人か。
いずれにせよ、一見痴漢の側に立っているように見えかねない意見の中には、痴漢予備軍というよりは痴漢冤罪被害者予備軍という自意識ゆえのバイアスが掛かったものがたくさんあるように思える。
当然言ってる人により背景はさまざまだろうけど、ひとつのパターンの仮説として。
最後に。
自衛しろおじさんも痴漢は問答無用でクソということ自体はたいてい共有してるし、本当に被害者側にも落ち度があると思って(自分の言ってることをわかって)言ってる人は実は少数派かもしれません。
道理を説くのも大事だけど、感情からスタートしてる人は会話にならないことも多いんで、いつか終わる戦いでもなさそうだしほどほどに。