■ウクライナしゃもじの件について思ったこと

報道

• NHK：「必勝」しゃもじなどゼレンスキー大統領に 激励と平和祈念し https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230323/k10014017361000.html
• 朝日：岸田首相、ゼレンスキー大統領に「必勝しゃもじ」と折り鶴ランプ贈呈 https://www.asahi.com/articles/ASR3R5QZWR3RUTFK01C.html
• 毎日：岸田首相、ゼレンスキー氏に広島名物「必勝しゃもじ」を贈呈 https://mainichi.jp/articles/20230323/k00/00m/010/230000c
• 読売：ゼレンスキー大統領に「必勝しゃもじ」…岸田首相が地元広島の特産を贈る https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230323-OYT1T50292/

まず大前提

• ロシアのウクライナ侵攻は非難されるべき
• ウクライナ領土内からロシアが兵を退き、安全保障を何らかの形で担保された和平条約を早く結ぶべき

「しゃもじ」の件に関して

• この贈呈に関して私は否定的である
• 以下、この感想を持つに至った、本件が持つ要素や本件への感想を列挙していく（あまり脈絡は考えない）
• しゃもじは岸田首相の出身の広島の名産品であり、スポーツ、選挙、受験などで必勝祈願のグッズとしてよく用いられる
• しかし、今起こっているのは戦争である
• ウクライナが勝つためには、少なからぬロシア兵の命を奪う必要がある
• しゃもじを贈呈することから想起されるのは、ウクライナ・ロシア双方の人間の命を奪う戦争に対する、軽いイメージである
• 人が今死んでいる・これからも死ぬことに対して、自省というかqualmというか、そうした重みは感じられない
• もっと厳粛な態度で臨むべきものである
• ウクライナ人はロシア人をたくさん殺せますようにと、応援グッズを渡すのか？
• 人が死ぬ戦争を空想やゲームだと勘違いしていない？
• 意地悪な符合を見出すなら、「死刑のはんこ押した時だけニュース」と言って更迭された葉梨法務大臣の記憶も新しい
• 昨今、岸田政権は防衛費増額、敵基地攻撃能力の保有、他国への安全保障面の支援などの政策を進めている
• それ自体の妥当性の判断はさておき、内閣がこうした政策を実行していることは、戦後の日本の外交政策の転換期に入ろうとしていることを示しているだろう
• 日本の首相が交戦国に出向き、必勝グッズを渡したという事実は、外交政策の方向性を見通す上で示唆的である
• しかも岸田首相は、（1）広島選出の、（2）宏池会の、（3）総理大臣である
• 岸田首相の永田町のタカ派の議員や、ことによると外務・防衛官僚にいたるまで、ちょっと怖いムードになっていると推測する
• 内閣総理大臣が取る行動として議論が成されたのか疑問が残る（G7リーダーで一人だけ行っていないという外因、読売に訪問をすっぱ抜かれたこと）
• いろいろ書いたが、もっとも言いたいことは、人を殺し、殺される戦争に相対する姿勢における軽薄さが、政権中枢に見出されて怖いということだ

Permalink | 記事への反応(3) | 00:34

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