4DXちゃんは、水がかかるシーンでは容赦なく水飛沫をかけてくる。別にミストなんて誰も求めてないのに、「これが新感覚映画体験ですよ~!!!」みたいな感じで、映像で水に関わるシーンが登場すると「待ってました!」と言わんばかりに水をかけてくる。
舞台が川や海になったらかなり危ない。ボートに乗るシーンがあったら、次の瞬間、4DXちゃんはあなたの顔面目掛けてミストを吹きかけてくる。4DXちゃんに悪気はないので、ミストが嫌な人は座席の肘掛けにあるWater offボタンを押そう。
重要なのが、このWater offボタンの位置だ。よく映画館では、「右と左どっちが自分のドリンクホルダーか分かんないよ~」というあるあるが語られるが、4DXでは、「右と左どっちが自分のWater offボタンか分かんないよ~」となる。4DXちゃんのミスト機能は、水を3日間飲み忘れていた人以外にとっては課金してでも止めたい機能なので、重要度のウエイトがドリンクホルダーの比じゃない。
Water offボタンの横に座席番号でも書いてくれればいいのだが、4DXちゃんはそこまでは気が回らない子なので、自分の座席に座る前に一番端の座席の見て、右と左どっちが自分のWater offボタンか確認しよう。そして、上映前に携帯電話の電源をoffにするのと一緒にWaterをoffしよう。
私はこの確認作業を怠ってしまい、「右と左どっちが自分のWater offボタンか分かんないよ~」状態に陥ってしまった。適当にボタンを押した場合、1/2の確率で隣のおっさんのWaterを勝手にoffしてしまうことになるので、結果身動きが取れなくなりメガネをビショビショにされた。水滴だらけのメガネを拭いて装着したまさにその瞬間に再び4DXちゃんにミストを吹きかけられたときは、たまらず左右どっちかのWater offボタンを博打で押してしまおうかと思ったが、顔面に水しぶきを吹きかけられて喜ぶタイプのおっさんも存在するので、勝手に他人のWater offボタンを押すのはやめよう。
ちなみに、Water offボタンを押したところで水を完全に防げるわけではない。4DXちゃんは映像で雨が降れば雨を降らすし、嵐が来れば風とともに水しぶきを吹きかけてくる。このへんはもう、「自然現象だからそりゃあしょうがないよね」と割り切って受け入れよう。
4DXちゃんは、「映像と体験がリンクすることはとにかくいいことだ」と思っているので、観客が求めていないことでも再現可能なことは何でも体感させようとする。なので、格闘シーンで主人公が背中を蹴られたら、4DXちゃんも観客の背中を激しくプッシュしてくる。
これが薄着だとそこそこダメージを食らうし、なんの予備知識もない状態でやられるとかなりビビる。私は後ろの客が思いっきり座席を蹴飛ばしてきたのかと思って軽くパニクった。主人公が背中を蹴られたときはもちろん、なぜか腹パンされたときでさえも4DXちゃんは背中を蹴飛ばしてくる。ダメージを喰らいたくない方は、羽毛がパンパンに詰まったダウンジャケットを着て衝撃を和らげよう。
カーアクション映画や空を飛ぶシーンの多いトップガンのような映画は、かなり風が吹いてくる。普通に寒くてやめてほしいのだが、4DXちゃんはノリノリで風を送り続けるので、寒いのが苦手な方は羽毛がパンパンに詰まったダウンジャケットを着て備えよう。
4DXを1人で鑑賞するときは、隣に人がいない座席を予約することを強くおすすめする。なぜなら、「自分ソロの状況で知らない人と一緒に隣同士で激しく揺さぶられるのはそこそこ恥ずかしい」から。ディズニーで自分1人だけあぶれて、知らないグループと一緒にスプラッシュマウンテンに載せられた時みたいな気まずさが発生する。
私は1人で鑑賞したのが、なるべく中央の座席で鑑賞したかったので隣に人がいる座席を予約してしまった。自分一人、隣の座席もおっさん1人。2人で一緒に無言で上下左右に激しくグワングワン揺さぶられていると、知らないおっさんと一緒に激しく揺さぶられた時だけに抱く謎の恥じらいを2時間近く味わされて映画に集中できなるので絶対に隣に人がいない座席を予約しよう。
あとは隣の座席が空いていると荷物を置けるというメリットもある。座席が動く4DXでは、地面に荷物を置くと挟まったりして危なそうという意識からか、荷物を抱えている客が多い。座席が激しく動く4DXで荷物を抱えるのは普通に邪魔なので、座席に荷物がおけるのは結構重要。