2022-03-11

イマジナリー子宮

 これまでAVを一万本以上は見てきたと思う。

 成人を跨いだ男性には珍しいことじゃないと思うが、これまでの人生で多分一万本から十万本の間くらいは、AVを、つまりアダルトビデオを見てきたことと思う。

 初めてAVに触れたのは高校生の時分で……などと書いていると些か気分が滅入ってくる。何故か惨めな気持ちになってくる。

 ともかく、高校生の頃にいわゆるサンプル動画を見たのが最初だった。

 何で俺はこんなことを話しているのかよく分からなくなってくる。ともかく、痩せてはいものの張りのある肉体に男の身体が鈍くぶつかる。そこまで激しくぶつかっているわけではないが、肉と肉が強く優しくぶつかる音がして、女は声を上げるのではなく息を呑んでいた。今にして思えば中々質の良いサンプル動画だったようにも思う。

 当時の高校生アクセスできるような、つまり大通りに面したネットの界隈に看板のように掲載されていたサンプル動画だったから、それなりに選り抜きだったのかもしれない。

 ともかくも、それが俺のAVとの出会いであり、それ以降はそんな感じで動画を求めてネット散策するようになった。

  ◇

 つまり何を話したいのかと言うと、イマジナリー子宮の話である

 イマジナリー子宮

 男には当たり前だけれど子宮は無い。だから、その存在ついて想像することはできても、実際の感覚として認識することは恐らく不可能である

 当たり前の話過ぎて何を言ってるんだと言われかねないだろうけれど、俺が言いたいのはAVの話であり、そこに子宮やら産道やらというものが大きく関わっているという話である。つまりAV鑑賞をしている限りで、男は女性特有の器官について考えざるを得ないし、そこから逃れることはできないのである

(いやそりゃAVに限らず現実性的接触においても同じことが言えるだろう、と言われればその通りなのだが、俺は人生においてそこまでたくさん性的接触の機会を持つことが無かったので、どっちかと言うと俺の性的接触の本場は現実ではなくAVの中の仮想空間になってしまったのだ。)

 AVをより楽しむ方法があるとすれば、それは女性感覚について理解することだと思う。

 要するに、AVを鑑賞している際に視覚的に認識できるのは棒の出入り以外の何物でもないわけで、その出入りを視覚的に認識するだけではつまらないのである。よりAVを楽しみたいのであれば、映像を通してまぐわっている人間感覚追体験し、両者の感覚をよりリアル体感するべきなのだ

 無論、男優感覚に関しては概ね追体験可能である性別という共通項が存在しているからだ。

 一方で、女性感覚に関しては想像に頼るしかない。

 俺は数千時間という時間を掛けて、AVをより楽しみ、より大きな快楽を得るべく、男女の感覚追体験という作業に没頭していった。

  ◇

 結果としてできあがったのが、イマジナリー子宮である

 つまり、ある程度女性認識感覚を、少なくとも映像を通して認識できるようになったのである

 想像の中に存在する、女性特有感覚追体験し、想像するための仮想女性器官。それがイマジナリー子宮だ。

 そう、俺がAVを鑑賞する時には、常に女性下腹部にはイマジナリー子宮存在している。映像において直接現れているわけではないが、想像力によって成立したイマジナリー子宮が、女性下腹部存在させられている。

 男性はその入り口の辺りを、男性自身によって刺激する。

 その際に生じる女性感覚は、本来ならば男性想像できるはずのないものである

 しかし、疑似的な追体験、近似値的な予想については不可能ではないと思う。少なくとも、俺は経験想像の集積として存在している、イマジナリー子宮を通して、ある程度正確に女性感覚認識できるようになったと自負している。

 無論それは疑似的な感覚に過ぎず、完全なトレースにはなっていないだろう。

 とは言え、その精度が低いかというとそうでもない気がする。女性が何をすれば嫌がるのか、何をすれば愉しめるのか、それを、女性視点に立って想像することは、時間さえ掛ければ決して不可能なことではないのである。イマジナリー子宮を生み出した今、改めてそう断言することができる。

 女性の表情やその他の情報を参照することで、一体女性においてどんな感覚が走っているのかをある程度トレースすることはできるようになった。更には、空想上の女性体験追体験的に理解しようとした結果、あくま想像上の存在ではあるものの、俺の脳内には女性の中に存在しているであろうところの仮想の子宮が生み出されたのである。それを俺は数々の鑑賞体験を経ることで、生み出してしまったのであった。

(勿論、本来このようなトレース作業想像作業は性行為を通じて行うべきなのだが、俺の場合は間違った方法において実践されてしまったのである。)

 これを異常な作業だと思われるだろうか。

 俺は決してこのような追体験想像作業が異常な作業であるとは思わない。つまり、より性行為理解し楽しみ、パートナーにも楽しんでもらうためには、パートナー感覚理解が欠かせないかである

  • ポルノ依存だと思う。あなたは一人じゃないから、勇気を出して治療につながってほしい。

  • 前立腺開発してアナルでイケるようになれ

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