特殊な装置を作るのに1000万円かかったとすると、その装置の価値は1000万円以上になる
同様に特殊なソフトウェアを作るのに月100万円の人が10ヶ月かけて作ると、そのソフトウェアの価値は1000万円以上になる
なのでこのソフトウェアを他社に譲渡する場合は対価として1000万円以上貰わないと赤字になる
経営者や税務署はこういう考え方しかしないからおかしなことになる
月100万円を10ヶ月かけたのはソフトウェア開発者に対してなので
現にもう一度同じソフトウェアを作らせれば10ヶ月どころではなく1ヶ月でできあがったりする
ソフトウェアそのものの資産価値は市場が決めるものであって、それにかけた費用は関係ない
つまり1000万円の費用に対するリターンはその人材が今後生み出す価値も加味してROIを設計すべきなのに
そこを無視して誤ったROI計算をして機会損失している企業が非常に多い
そればかりか人材流出で大幅に価値毀損してるのに気付いてない経営者が多い
1000万円を他社に渡して対価としてプログラムを得て満足しているが
実際に価値があるのはそれを作った人間であってプログラムそのものではない
ついでにいうと大手ベンダーは月100万の人件費がかかるとするとそのまま発注元に積算して費用計上するが
一見すると管理費が儲かっているので美味しい商売のように見えるが
彼らはソフトウェアに対する責任を負わされているのに実際に価値のある人材は再委託先にいるという非常に危険な状態に気付いていない
簡単に言うと再委託先の技術者が転職してしまうとソフトウェア改修もままならないのに瑕疵担保だけは担っている状態
爆弾を安い費用で抱えさせられているのに社員達は何も価値が高まることのない会議に参加して転職する機会だけを減らしている
最近よく耳にする「大企業は内製化を進めよう」という言葉は今のような現状をしっかり踏まえて議論すべきなのに
理解していればソフトウェア開発者の流出を防ぐためにもっと待遇を良くするだろうがそうはならない
根本はそこにある
かかったコスト=価値ならば、原子力発電所は事故を起こしたほうが価値が上がるということか