シン・ゴジラで人間が葛藤する様子をたくさん描写したにもかかわらず「ヒューマンドラマがない」とかいう浅すぎる感想を抱く視聴者にまでリーチしてる問題は映画公開の当時からあるけど、それってのはヒューマンドラマを陳腐な「男女がくっついて終了」だと思っているような視聴者までもがシンゴジラを見た、ってことなんだなあ。
サンマをホネとって解体してはらわたを味わうようなことなく、カマボコしか食えない人間みたいな感じ。これだから若い男は。
でも時代の流れ的に仕方ないような気もするんだよな。ライトノベルが流行っているように。読者層やニーズの変化。
めっちゃ長いラノベタイトルは何故か?というと、消費者が「失敗したくないから」だ。今の人はお金がないのでコスパを重視する。お金を払って買ったコンテンツが面白くなかったらコスパが低下してしまうから。内容あらすじがある程度わかってる必要がある。
本邦は30年も経済的に失われているので、国民もそれに最適化した処世術になるわけです。若い人は特に。生きていくというのは、そこに適応していくということですね。適者生存。強いお金持ちだけが生き延びるのでなく、お金がなく経済的に弱い人もその状況に適応して生きていく。
「自分で考察して楽しむ」というのも、古いオタク世代の楽しみ方なのかも知れない。第四第五世代のオタクはあまり考察をエンジョイしないのかも知れない。ラノベですら、ラノベ作者が「読者が読解力が低すぎて困ってる」みたいな嘆きをしてるの見たことあるくらいだから・・・。謎を楽しめないのかも。忙しく拙速なので、じっくり考える余裕も習慣もない。YouTubeの動画も少しでもつまらんと視聴者はすぐ離脱するから、そうさせないために視聴維持率を高めるためにとめどなく喋るように編集する。
それこそこないだのNHK特番で「謎を残すようなことが好まれなくなってきている」みたいな話で、それを反映してかシンエヴァのDパートは怒涛の答え合わせだった。全自動魚の骨とりマシーンみたいな。
「すいませんサンマ食べにくいですよね、ホネとっておきますんで、どうぞお召し上がりください」よろしく
だから今後の庵野作品のテイストって、焼きサンマが出てくるか、カマボコが出てくるか、それが見どころになるのかなーと思った。
NHK特番で「自分が面白いと思うものは好まれないじゃん」みたいな愚痴をブツクサこぼしてたのは、本当はサンマが食べたいしお出ししたいけど仕方なく時代に合わせてカマボコに近づけてるってことなのかなと。