首相の長男の接待疑惑の件で官僚が使った詭弁なんだけど結構多用されているので注意しよう。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/87043
もともとは衛星放送についての話はしていないし、利害関係者だとも認識していなかったと言っていたが、文春から会食時の録音が出てくると一転して衛星放送の話をしていたのだろう、と認めた。
この時点で、「衛星放送の話はしていない」と主張するのは諦めて、争点のラインが引き下げられ、「衛星放送の話はしていたが、前回国会で聞かれたときは記憶になかった」というところまで前線が引き下げられている。
なぜかというと、前回の国会で嘘を言っていたということを認めると、偽証罪になってしまうからこんな強弁をしているわけだ。罪にならないように白痴のふりをするのが本邦の高級官僚のやり方らしい。恥知らずもいいところだ。
https://bunshun.jp/articles/-/43584
これも似たような話で、誰も首相とその長男が同一人格だなんて主張してないのに、「別人格ですからね」と主張している。だれもそんなこと言っていない。
別人格だろうと、親の威光を使って贈収賄を行ったのだとしたら親にだって責任はあるだろうという話だろう。
そこまでひどくはないが、似たような光景ははてぶでも見られる。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20210221012059
やはり何でも反ワクチン認定する輩が出てきたな。「アストラゼネカのワクチンについて65歳未満に限って推奨としたのはフランス、ドイツ」「有効性は南ア変異株に対しては22%に低下」
そうかワクチンについて少しでもdisると反ワクチン勢力に入れられるのか!スゲー偏見だな。悪いけど私はワクチン接種に反対していません。あと陰謀論は信じていませんので勝手にJアノンとかレッテル貼りも止めてね。
これらに共通して特徴的なのはやはり、「何でも」「少しでも」というようなフレーズだろう。
これらのコメントでは、相手の論理が「全く寛容でない」とわざと誤謬しつつ、限定的な反論を与えることで自らの反論を正当化しようとしている。
しかし、元増田をちゃんと読んでみれば基本的には「明らかな嘘」「思い込み」を指摘しているのであって少しでもワクチンをdisるのを否定したわけでもなければ何でも反ワクチン扱いしたわけでも無かろう。
つまりここでは意図的に前線が引き下げられている。引き下げられた論点は結果的に以下のようなものである。
「なんでも反ワクチン扱いするのはよくない」「アストラゼネカのワクチンがファイザーよりも評価が低いことを指摘したからって反ワクチン扱いするのはよくない」
これらの主張は常識的なところまで引き下げられているので、単独では納得できるものである。もちろんなんでも反ワクチン扱いはよくないよね、というふうに。
しかし反論である以上含意として「元増田はなんでも反ワクチン扱いしている」という意味になっており、それは全く間違っているのである。
こういうのをなんて呼ぶべきだろうか、「悪意ある誤謬」とでもいうべきか。