とある男性から何度も告白されて、期間限定という条件でお付き合いを始めた。
特殊な事情があり、長くは一緒にいられないが、元彼と別れたばかりで精神的に参ってたり、顔もさほど好みではないしスペック的にも普通だったので好きー!みたいなことにはならないので期間限定でも大丈夫だと思っていた。
というか男性側もなかなかの遊び人で、お前Twitterでナンパ師note売ってる?ぐらい掘れば掘るほど遊んだエピソードが防波堤ぶっ壊して流れ込んでくるので、その点もあって本当に繋ぎで付き合うだけのつもりだった。
当然向こうもそんな感じだった。顔がタイプで家が近くてノリがいい。繋ぎで十分。だから期間限定でも無問題。
イイ。すごくイイ。遊び人なだけあって上手いし息子もすごい。そして私もくそビッチであった。
しかもお互いに特殊な性癖があった。それがうっかり合致してしまった。
男は嫌われそうだからと長年秘めてきた性癖を全開放し、私も絶対イカない体質だったのが10回以上いける体質になってしまった。
そして第二の誤算はお互いに思ったよりクズだった。実は私も結構なクズであり、ふたりして元夜職同士の貢がせクズ人間だった。(いまは双方真面目に会社員をしている)
クズ同士は話が盛り上がる。NGな話題もなければ下世話な話もガンガン行ける。話題が全く尽きなかった。しかもあとから判明したがお互いバツイチでまともな結婚生活を送っていなかった。
人生履歴書を書いたらかなり似ているものが出来上がりそうなぐらいのクズ’sだった。
第三の誤算は、生活力のない男と世話焼きな女という分かりやすい者同士がくっついてしまったこと。これは男側の誤算だった。私はクズな見た目と発言に反して極度の世話焼き体質で家事全般が得意である。我が家は「三大欲求を満たし脳が溶ける家」という異名を持つことになった。
そんなこんなで、まず男側が篭絡した。
これは本人の自己申告ほか、連絡頻度や態度が明らかに変化したので分かりやすかった。最初は連絡が数日ほど空くことがあったが、今は空いて数時間。むしろ開きすぎると電話が来る。短時間でも暇さえあれば私に会いに来る。パシリまでしてくれる。
そんなことをされてベタベタに甘えられている内に私が落ちた。細かった男が徐々に私の手料理で丸くなっていくのも愛おしかった。
クズ同士がくっつくというのはおそらく社会にとっては迷惑がかからずとてもいい事なので周囲に対して問題は無いが、期限付きの交際だったのでお互いにちょっと困っている。
どうせ別れるからとかなり軽い感じで付き合い始めたのに、うっかり相思相愛になってしまった。
じゃあ継続すればいいという事ではなく、この期限は絶対で、いわゆる「どうしようもない事情」なのだ。
正直、別れたくない。しかし刻一刻とその時が迫っている。
本当にどうしようもない事情って死ぬくらいしか思いつかんけどやっぱ死ぬんか?