2021-01-05

愚行の代償:罰金金属バット

コロナ特別措置法新型インフルエンザ等対策特別措置法)の改正をめぐる国会での議論は、今週から発令予定の緊急事態宣言に間に合わない。

ということは、今回の緊急事態宣言中、休業要請事業者が従わなくても、事業者名をバラされる以外に罰がない。だから飲食店とかパチンコ屋が意地でも営業継続する選択肢は、法律上あるといえばある。

(この国の同調圧力無視できれば)


特別措置法をもう一回改正する議論ポイントは、罰則をどうするかにあるらしい。意地でも営業した事業者罰金禁固刑を食らわせることができるかどうか。

一方、誰かがマスクをつけないで電車に乗ったり飲食店でウェイウェイ騒いで飛沫を撒き散らした場合でも、個人適用する罰則規定はなさそうだ。

憲法上で定めている私権を国が率先して制限するのはまずい、という懸念内閣法制局から出てストップがかかったらしい。もっともなことだと思う。


だが人の感情法律制限することはできない。

街場で酔っ払いが増えれば増えるほど失業者も増えるだろう。

密室での会食が感染を増やすというエビデンスが揃いつつある。

会食で感染者が増えれば増えるほど、国や自治体はより厳しい自粛要請を出すだろう。

そうすると、企業の売上は減る、首切りが進む、勤め人が持つカネは減る。

時給制で働いていて貯金もない非正規労働者は、稼働時間が減らされるとあっという間に家賃が払えなくなり、路上に放り出される。

これから一年もっと寒い時期を迎えるなかで、これは生きるか死ぬかの問題になる。


そういう状況になった人は思うだろう。

なぜ私がこんな目にあわなくてはいけないのか。

だが、そのへんで酔っ払って大声で飛沫を撒き散らしているあの人々をどうすることもできない。

通報したところで、彼らを止めて罰することのできる法律はない。

個人自由はなんと強いのだろう。

私は路上に放り出されて寒さで殺されようとしているのに、あの人たちは酔っ払ってゲラゲラ笑っている。

個人自由はなんと強いのだろう。


そこで自警団が街に現れる。

誰も守ってくれないのだから自分の身は自分で守るしかない。

店を出た酔っぱらい頭蓋骨金属バットで叩き割る彼らは、きわめて危険存在だ。

自力救済は無法だ。暴力暴力だ。

だが、自分理不尽に殺されようとしているときに、誰に頼ればいいのだろうか。この怒りを誰に向ければいいのだろうか。

「まさにあなたを守るために我々は立ち上がったのだ」という自警団レトリックに乗せられずにいられるだろうか。


ふだんリベラル思想を持ち、在宅勤務をしながらこれを眺めている人は、鼻で笑うかもしれない。

ありえない、と。

会食をした感染者が無症状で撒き散らすウイルス自分感染したら、自分家族や親しい人を失ったら、鼻で笑っていられるだろうか。

どれほどリベラル思想を持っている人でも、恐怖と怒りにかられたとき、「自警団的なもの」が襲いかかってくる瞬間がある。

自分の身を守り、怒りの矛先を向けることができるなら、他人自由など、どうでもよいことだ、という思想に。


国に私権制限させてはならないだろう。

そのうえでどうするかは自分で考えなくてはいけないかもしれない。

  • リベラルの皆さんってコロナ無関係に普段から"表現自警団"が跋扈しててもなんとも思わないんだし、今更の今更でしょ 自分のかわいい人のために自分の気に食わない奴を殴ってくれる...

  • 金属バッドで脅したら刑務所行きだけど。

  • 自警団(やくざ)ねえ ぶっちゃけ連中って警察黙認で被災地で泥棒の下見をやってるだけだろ はだしのゲンに出てきた赤犬の肉がうまいとか言ってるおっさんの仲間だ

  • 休業しない飯屋の前には恐らく街宣車が来て 110しても警察は営業しているお前が悪いんだろw民事不介入wwww こうだろうな

  • 何でこういう馬鹿は富裕層に有利なことしか言わないの? 金配って休業・リモートワークさせればいいだけ

  • アンタあれかい?アイコンのポートレートが自作(苦笑)の釘バットの人かい?メンタルとロジックいっしょだな...

  • 感染症法の改正に反対する理由が話題になっているが、これは典型的なリベラルの言説である。 誤解のないように最初に述べておくと、私自身は法治主義と人権の尊重を強く支持してい...

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