2020-11-03

ゾーニング」に関する三つの問題

1. ゾーニング定義

zone+ingという綴りから分かるようにゾーニングは「区分する」という意味である

にもかかわらず、ゾーニングを求める人たちの多くは「隔離隠蔽」のことをゾーニング認識している。

たとえばCERO Zのゲームはそのシールが貼られていればコーナー全体が隠されていなくともゾーニングされている。

たとえばコンビニエロ本は「成人向け雑誌」として区切られていたのでゾーニングされている。

たとえば「ラブタイツ」はツイートハッシュタグが付いていたのでゾーニングされている。

しかし、それらを「ゾーニング」とみなさず、「何の規制もなく放置されている」と考える人たちがいるのである

ゾーニングとは「ここに何があるかは明示するので、あとは各自で行動を選択してくれ」という理念だ。

不快ものを私の視界にいっさい入れるな」とはむしろ反対の概念であって、だから話が食い違うのである

2. ゾーニングコスト

では「隔離隠蔽」の意味でのゾーニング推し進めるとすればどうか。

もちろんそれは非常に難しい。

誰が何を不快に思うかは千差万別で、しか運営する側には窺い知れないものからだ。

インターネット上でなら上手くいくだろうか?

いや、どんなにブロックミュートを組み合わせても、見たくないものは見えてしまう。

不快ものを見たくない」という願いを実現することは不可能だ。

我々は、不快もの排除する力ではなく、不快ものに堪える力を身に着けなければならない。

からこそ「見せない」のはなく「見せた上で対応を選ばせる」――ゾーニングが求められるのである

3. ゾーニングジレンマ

もちろん、完全には無理でも、部分的に「隔離隠蔽」が成功することはあるだろう。

そのときはどうなるだろうか。

これもコンビニエロ本実例となる。

コンビニエロ本18禁ではなく、18禁に該当するような描写を避けた「マイルド」な代物だった。

にもかかわらず、あれらが「18禁」と認識され、批判さらされたのは、

隔離隠蔽」によって「それが彼らの目に映るなかで最も過激な本だった」からではないか

過激ものを隠していけば、過激さの上限はどんどん低くなっていくのが道理だ。

長年肌を隠してきたイスラム教国では生足ですら過激エロスとなる。

人間の「常識」は環境によって簡単上下する。

いまあなたが抱く「常識的に考えてこれはNGだろう」という基準も、

既にして「さまざまなもの規制されてきた」結果として生み出されたものである

コンビニエロ本は、様々な譲歩をしていたにもかかわらず、あっさりと撤廃されてしまった。

隔離隠蔽」という形で譲歩をすれば、そのぶん相手こちら側に踏み込んでくるだけ。

譲歩をするばかりではただ消滅するまで縮小していくだけなのだ

以上からゾーニング銀の弾丸にはなりえない。

冷静かつ中立的立場を気取って「私は規制ではなくゾーニングを求めているだけ」と主張する人たちは、

それがいかに役立たない提案かを自覚すべきだろう。

  • 将来、スカートをはく女性もゾーニングされるべきだろう。 足を見せるなら自宅でやってくれと。

  • ハッシュタグがついてるからゾーニングされてるってどんなジョークだよwww 全裸男が「変態です、注意してください」って胸に大書して真昼間のオフィス街を走り回ってて捕まって「注...

    • Twitterって特定のキーワードやハッシュタグを指定してミュートできるみたいね。

      • そういや今回どんなゾーニングのハッシュタグがついてたの?「オタクの萌え絵」ってハッシュタグがついてたの?

  • ゾーサイス

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