2020-09-07

アラフォー男性の基礎的知識のようなもの

世代の友人たちと酒を飲みながら話していると、仕事の悩みや家庭の愚痴に次いで「今までどんな漫画を読んできたか」という話題が出ることがままある。

コロコロコミックボンボン週刊少年ジャンプマガジンサンデー月刊誌漫画小学校から大学くらいまでに話題になった漫画アニメなどの作品について長く語られることになるのだが、その時に出てくる「三国志」や「ジョジョの奇妙な冒険」「機動戦士ガンダム」という、いわゆる「漫画が好きなアラフォー男性なら通るべきであろう王道作品」を何一つ知らず語れず、曖昧な相槌と時折発する「あー」という賛同とも意見の表明とも取れない謎の発語をする程度で、とにかくその場に居づらくなる。

そんな時にトイレから帰ってきた友人は、個室の入り口付近で立ち尽くしポーズを取っている。

それに気づいた他の友人たちは「ジョジョの◯◯じゃん!」と大いに盛り上がる。そんな中、俺だけにはジョジョのなんとかではなく、ナルシシズムの度合いが病的になった吉川晃司氷室京介しか見えず、またしても「あー」という謎の音を絞り出す。

幼少期の家庭環境特殊だったわけではないと思いたい。

自衛官だった厳格すぎる父と、昭和という時代いくらでもいた夫を立てる母のもと、道を外さず法を犯さず、真面目に暮らし育っていた。漫画もそれなりに読み、テレビだって見ていた。おそらくアラフォー男性が通るその手の道を辿ってきているはずではあるが、基礎的知識が圧倒的に希薄で、もしかすると記憶力が人並みはずれて低いのか、物語理解する能力に著しい障害があるのかと不安になってしまう。

とはいえ三十路あたりまでは少年期に触れた作品のあらましを諳んじて見せるほどだった。しかし、四十路が近づくほどその記憶は一つずつおぼろげになり、思い出す糸口さえ判然としない状態になっている。先日は娘と話している中で「逃げ水」という言葉を思い出すまでに5分程度の時間を要した上に、googleで答え合わせをしないと不安なほどだった。

今この文章を読んでくれているであろう若い諸氏に伝える。

もしも同じような経験をして肩身が狭い思いをしているなら、きっとそれはずっと続く。

年月を重ねいつか記憶輪郭がぼやけて、時にほぼ消失しかけても、王道作品を語る周りの友人たちも「あー、あれだよ。なんだっけなー!あれ!」という老化現象真っ盛りな言葉をひねり出しながらも、その思い出す過程すら楽しむに違いないだろう。

さらインターネットモバイル端末が発達したおかげで、記憶を呼び覚ます力とは反比例して、検索結果でさらに盛り上がるのだと思う。

「覚えている力」と「思い出す力」は「小手先の調べる力」にひれ伏し、今夜もどこかでアラフォーたちは三国志ジョジョガンダム話題に盛り上がる。

時代王道には触れておき、深く傾倒するほどでもない程度の知識を携えておくことをオススメする。

一応、ドラゴンボールスラムダンクはわかりますハーレムビート派だったけど。

  • 三国志は意外とみんな読んでない。光栄のも信長のほうが人気あった気がしないでもない。 ガンダムもリアタイだとΖ、ΖΖ(1985年、40歳だと5歳とか)もハマらず、OVAや劇場版挟んで...

    • だいたい同意だけど、コロコロ・ボンボンは小学生で卒業して、中学に入る前後でサンマガジャンを読み始める、みたいな人が多かった気がする

  • 娘がいることは百難隠すよ。

  • 脳細胞が再生する数が減ってくから仕方ないよね

記事への反応(ブックマークコメント)

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