2020-06-23

90年代痴漢女子高生は持ちつ持たれつの関係だった

痴漢側は間違いなくそう思っていた。

90年代前半は「女子高生ブランド」が最高潮になった時代で、女子高生たちは自分自身の「価値」を知り、世のオヤジたちに提供する存在だった。オヤジたちはその女子高生たちに相応の対価で応え、ギブアンドテイクの関係性が出来上がっていた。

と、オヤジたちは思っていた。

ブルセラ援助交際、ウリ、テレクラ。これらが週刊誌ドラママンガで繰り返し描かれることによって、「女子高生はそのように消費してもいい存在」「それによって金を稼ぐことを女子高生も望んでいる」「汚れた女たち」とオヤジたちは本気で思った。だからいきなり女子高生に声をかけて「3万でどう?」と言えたのだ。しかもそれで、けっこう成功した。追加で金がかかることは多かったろうが。

もちろん、そのような「価値提供」をする女子高生はそんなに多くはなかった。当たり前だ。しかし、爆発的に「そういうイメージ」が浸透した。女子高生は清純かビッチか、どちらかしかいないような錯覚が生まれた。

そして、ウリやエンコーに応えるビッチ女子高生はそのまま性的対象になった。説教しながらセックスする対象になった。

一方、「今時珍しい」清純な女子高生もまた、そのまま性的対象になった。汚れた女どもの中で、この子は違う。そうして癒しセックス対象になった。

大分アバウトだが、このようにして「女子高生」というブランドが性の匂いと不可分になっていった。もちろん、それ以前から性的対象カテゴリではあったが、一般にも決定的に浸透したのはこの時代だろう。

もはや「そういう子もいる」ではなく、「今時の女子高生はみんなやってる」と思われるほどに浸透した。痴漢オヤジたちだけではなく、世の中の一般的な人々に、そういうイメージが知れ渡ったのだ。

なので、今更かつての女子高生に「あれは本当に嫌だった」と言われても、「持ちつ持たれつだったじゃないか」「お前たちも汚れた女だったじゃないか」という意識はどこかに残っている。だから本気で「すまなかった」という声はオヤジたちからは出てこない。釈然としない気持ちが残るからだ。

だってお前ら高かったじゃん」と言いたいのだ。

「嫌だったかもしれないけど、その分こっちも懐痛めてたんだしさぁ」

「5万はらったんだし、おあいこだろ?」

「むしろお前らのほうが得してただろ?」

「俺を振ってオヤジと腰を振りやがったくせに」

そう言いたいわけだ。

もちろん、これは「女子高生を消費してもいい空気」が犯人なので、一部を除いて女子高生たちには責任はない。しかしこの「一部を除いて」と言わないといけないのがネックになる。それで金を稼いだ女子高生が確かに存在したこと問題をややこしくさせる。

オヤジどもが突くのはこの点だ。確かに金を得た女子高生はいたのだ。オヤジたちをあざ笑い、金を持って行った女子高生存在した。

それがあるから、「本当に嫌だった」を素直に聞き入れられないのだ。

今でいうパパ活とは比較にならないほど広汎に「ヤレるイメージ」がついたのがあの時代だ。一度に動く金額現代のほうが上だろうが、総額ではあの時代が圧倒的に上だろう。

ちょっと遊んでる風の女子高生には、必ず「ウリをやってる」という噂が立った。"清純"な女子高生眼鏡をやめてコンタクトにしたりしたら、「オンナになった」とかささやかれた。

山本直樹マンガBlue」の時代だ。そういう空気感だった。

男子はそういう環境で育ち、大人になり、今中年になっている。

なので、「当時の遊んでる女子高生像」がどうしても頭から離れない。

90年代前半の女子高生下劣オヤジとギブアンドテイクの関係だった、と、オヤジたちは思っていたから、女子高生の消費が止まらなかったということは言えるだろう。

ただ電車に乗っているだけで痴漢あい、服を切り裂かれ、日常の中で脅威にさらされた女子高生たちは大変気の毒な時代だった。

なぜそのような目にあったかと言えば、「世間女子高生をそのように扱ったから」としか言えないような気がする。

自身も、当時付き合っていた彼女エンコーしていた事実があった。今でいえば脳が破壊されるというやつだ。

そういう経験もあって、正直なところ、心のどこかでかつての女子高生に同情ができない気持ちがある。申し訳ない。

ともあれ、まぁ、「あの時代」はこんなもんだったんじゃねーかなということを書いてみた。

  • 女買うなら痴漢する必要ないやん 脳みそやられてんのか

  • 令和の世の中では信じてもらえないかもしれないが元増田の言っていることは本当だ 1993年位から突如として女子高生ブームが始まった それまで成人男性向け週刊誌で取り上げられるの...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん