2019-10-21

助成金が取り消された「宮本から君へ」はどんな作品

原作新井英樹漫画だ。

もともとドラマの続編である映画を前提に作られている企画だ。

内容は真摯で、深夜枠も頷ける。派手さはない。人の心をえぐる青年の不運な青春を描いている。

青年は地味でコネもなく営業で頑張る新人サラリーマンだ。都会の荒波に負けて負けてそれでもがんばる男である

多分おっさんが見たら泣く。

主演は池松壮亮ヒロイン蒼井優、脇役に井浦新柄本時生松山ケンイチなどが出ている。

この5人のうち1人でもいれば国は助成金を出すのではないか…という高い評価を得ている賞レースおなじみの面々だ。

さら監督真利子哲也という若手でとんがった作品を誠実にとる監督で、平成30年度の新進芸術家海外派遣制度もうけている。

真利子の映画ディストラクション・ベイビーズ」は国内外新人賞をとっている注目株だ。

国がピエール瀧一人でお金を出すのをやめたのはこんな映画だ。

お金大事であるが、芸術文化振興基金助成金で出る金はそんなに高くない。せいぜい広告1本か2本打つくらいの金額だ。

別になくたってこれだけのキャスト監督原作があれば作品に金を出す人は居るだろう。

あいトレみたいに助成金が無いと運営できない企画では無い。

しかし国は、ピエール瀧一人の罪で、これだけのキャスト監督原作の1クール映画分の努力を認めないと「後出し」した。

大体社会貢献云々の項目が芸術文化振興基金助成金対象作品適応されたのも驚きだ。

選ばれる映画は大体喫煙しているし人が銃で死ぬ違法行為もあったりなんか結構アウトローだったりする(偏見)。

社会貢献とは一体。確かに名目にはあるが初耳感すらある。

そもそもこんな前例あっただろうか。突然改正って、誰が作って誰が決めたのか。誰にそんな権限があるのか。

権限は、国民にあるべきなのに。

単純にお馬鹿だ。あいトレとは違う。こんな一流クリエーターたちを集めておいて表現規制するような行動をしてしまった。

映画業界役者業界含め表現規制には相当敏感だ。戦中に彼らが苦しい思いをした歴史的背景も大きい。

役者業界が声を上げたらどうなるのかその辺も考えられなかったんだろうか。

本当に、考え無しである蒼井優が家で愚痴って山ちゃん聴取率高いラジオで不満をぶちまける展開、誰でも考えられるだろうに。

助成金が出る映画は外れが出ないのだが、今後の映画に関してはもう分からない。

この件によってもう「芸術文化振興基金助成金」というクレジットの信用を失ったのだ。

金に困ってない映画はもう申請しなくていいよ。宮本は今からでもクラウドファンディングだせ。

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