前説として、この話は誰も悪者がいない話、そして、私の中で既に完結している話である。
私は小説を主体に二次創作をしている人間だ。才能はないものの、創作するが楽しくて今も続けている。
タイトル通り、これは私が有名絵師さんとネタ被りをした時の話だ。
事の発端は、公式からの供給があったことにある。新衣装を披露してくれたキャラクターはとても可愛く、皆こぞってキャラクターをネタに書き始めた。
私も勿論、薄い脳みそを働かせ、"可能性"という"可能性"を字に起こした。一筋の光りが刺し、プロットを切った。
しかしながら、そのプロットを切った時点で『特殊性癖ネタ』であることが伺えた。正直、悩んだ私は、仲の良かった同じカプの絵かき友だちのBさんに相談した。
Bさんはネタを絶賛し「私もそのネタ描きたい」とまで言ってくれたのだ。ほっとした私はすぐ下書きに取り掛かり、7000字近くのSSを書いた。
書いている最中、仲の良かったBさんが非公開ツイッターで進捗応援コメントをつけて、私の相談した特殊ネタの絵を披露してくれた。私は絵を活力にして、小説に励み、『特殊性癖』ではあるものの、ただの戯言にすぎない小説を書き上げ、ウェブ公開した。
「この話の元ネタ、Aさんですよね?」
Aさんはとても人気な作家さんで、私もAさんの大ファンには間違い。
私はとてもショックを受けた。
ショックを受けたのと同時に、嫌な予感が的中してしまった、とも思った。
何故こんなメッセージが送られてきてしまったのか、これには少々込み入った事情がある。
上記でBさんが特殊ネタを絵にしてくれたと書いたが、これは実は、続きがある。
『そういう"可能性"もあるのか。』
と呟いたのだ。
そして、その呟きに反応したのが、
Aさんだった。
ここで一旦、相互関係の話をする。
・AさんとCさんは相互関係にある。
・BさんとCさんも相互関係にある。
・そして、AさんとBさんは相互ではない。どちらか一方がフォローしているということも、ない。無縁の関係だった。
肝心の私というと、全員をフォローしていて、相互なのは、【Bさんのみ】だ。
先程、書いたようにAさんはCさんの呟きに反応し、絵を書いた。私の考えていたものと同じ『特殊ネタ』だ。
の絵をAさんがウェブ公開するまでに、小説を書きあげることは出来ていなかった。
この時点で、すべてを見ていた私は小説を上げることが少しだけ嫌になっていた。
しかしながらBさんが絵まで書いて絶賛してくれた話だ、勇気を出して小説を公開した。
結果は、上記で書いたとおりだ。
二次創作は、『n番煎じを躊躇するな』この言葉に尽きると思う。(死語かどうかさておいて)
ネタ被りを気にしていては、個性も創作も死んでしまう。だから鋼の意志で創作をしている。
しかし、傷付かないワケではないのだ。
私は「元ネタ、Aさんですよね?」と言われて、少なからず傷付いたし、頭にきた。
だが、匿名者の言葉は、私が考えた一生懸命考えたネタを、他人の発想から来たネタだろうと勝手にパクリだと言われたようなものだった。
自分で産んだ作品を、他人の子だと言われたような気がした。紛れもない、私の子なのに。
そのかわり、着地点がない。
Cさんは、可能性について呟いた。
匿名者は思ったことを指摘した。善意有る行動だ。何よりも、平凡な草みたいな私の作品に目を通してくれた人だ。
敷いて言えば、私が遅筆なのが悪かったのかも知れない。時間は巻き戻らない。小説を書くのにも、時間がかかる。
悪意のあるオマージュや敬意が感じられないリスペクトは、作品を殺してしまう。
何が良くて、何が悪いか。