その時、相手は困ったような顔をして「少し考えさせて」と返答された翌日、生徒会の副会長であり学年女子の中心人物であった女に
「○○があんたに告白されて気持ち悪くて困っていると言ってるの、もう○○に接触しないでくれる?」
と教室でしかも怒鳴り声に近い口調で言い放たれた・・・・あまりに勢いに驚いたけど翌日から奇異の目で見られるようになった。
その出来事以来、中学の3年間は「キモい奴」と言うレッテルが学年の女子だけでなく男子にまで広まり、黒板消しを投げつけられたり
後ろからいきなり蹴られたりして怒ると「キモい奴が口答えすんじゃねーよww」と中傷されるようになった。
今考えるといじめなのだが当時は「自分はキモいから、そんな目に合うんだ」と何となく納得して・・・・教室の隅で大人しく過ごしていた。
高校に入ってから人間関係がリセットされたおかげで楽しい時期を過ごしたが、唯一できないことがあった。
それが「告白」だ、好きな人がいたけど結局遠くからたまーに眺めるだけ・・・生徒会の役員にもなったし運動部でそこそこの成績を残した
影響で充実していたが「好きな人に告白をする」が出来ないまま卒業した。
勇気を出そうとすると中学時代の自分が頭の中で「おまえ、キモい奴と思われてるのに告白なんてしたらまたサンドバックにされるぞ?」と何度も何度も呟いてきて
どうしても想いを伝えるに至らなかった。どうしても勇気がでなかった。
大学に入ってからも恋愛に至っては中学時代の自分が頭の中で「おまえ、キモい奴と思われてるのに好きなんて言ったらまたサンドバックにされるぞ?」
大学卒業してから今年で15年・・・・・彼女いない歴=実年齢の童貞、もう青臭く「告白」で恋愛できるような年齢は過ぎてしまった。
大人の対応を迫られるようになり、ビジネスで性を持ち出すことがジェンダー問題的にまずいと言われてから女性には気を使い男女の認識を消して対応している。
プライベートな話や内面に関わる話はセクハラと言われやすいので会社内では誰と話しても仕事仲間以上の感情は抱かないようにしている。
ふと、仕事の休憩中に好きな人に「キモい」と言われると言うことがなければ今頃隣に好きな女性が座っている人生もあったのかな・・・と思う時がある。
過去の亡霊に取りつかれているのは良くないと思いつつもやっぱり中学時代に受けた仕打ちは大きかった。
成人式で中学時代の奴らと出会ったがお酒の力もあり最後は楽しく同窓会を終えたが、俺に「キモい」と言った女は結婚して子持ち、俺が一目ぼれした女性は同棲している彼氏がいると
同窓会の席で隣で座っていた元クラスメイトの女性に教えられた。なんとなく気になって自分が聞いたわけだがモヤモヤとした何とも言えない感情だけが残った。