2018-04-26

15年間泣かず飛ばずの名も無い作曲家だけど、引退を決めた話

私はアラフォー自営業だ。音楽を作って生計を立てているので、わかりやすく「作曲家」を名乗らせてもらっている。

大学在学中からこの仕事を始め、貧しいながらも細々と仕事をしてきた。

調べれば有名な代表作が並ぶような著名な先生ではない。

代表作はない。誰も知らないソシャゲコケアイドル名前の出ない地方CMyoutube広告等の「誰もやらない」仕事をずっと続けてきた。

最初の5年は若いし活力と可能性に心踊った。

次の5年はどんどん成功していく同世代作家に多少あせりを感じつつも、精一杯仕事をした。

そしてこの5年間。ただただ惨めで、つらかった。

私はどこの事務所にも所属せず、フリーでずっとやってきた。

アニメ曲や主題歌のコンペは知り合いのディレクターさんから回ってくる。

何度も挑戦したが、一度も採用されたことはなかった。

10代の作家や、年配でもまだ若い感性先生方に混じり、自分が戦えるはずはなかったが、それでも「継続は力なり」「努力こそ正義」を信じ、たくさんの曲を作った。

(しかしそれらは、一曲とて世の中に出ることはなかった)

自分の関わるプロジェクトはすべてリリースされることな破綻したり、不祥事がありなかったことにされたり、無事リリースされても誰も聴いてくれず、youtubeにあげられたMV再生数は悲惨ものだ。400再生とか。

私は音楽での成功体験がない。

ショット発注音楽10万円で買い取ってもらい、それを15年間延々と続けてきたのだ。

何の人脈も、スキルもない。

でも音楽が作れるのでは?

残念ながらそれも違った。

発注はいつも「きゃりーぱみゅーぱみゅぱみゅみたいな感じで」「高木正勝みたいな感じで」と本家発注すると高いものを、廉価版として自分のところに1/10の値段で来るのだ。

なのでオリジナリティはなく、パクるのだけがうまくなった。

最初10年は続けていたアーティスト活動も辞めた。

誰もライブには着てくれず、自費で出したCDは売れない。大量のダンボール箱の在庫である

音楽は才能がなくても仕事ができる、を自分を通して身をもって感じる、惨めでつらい15年間だった。

16年目で成功するかもしれない。

20年続ければ成功するかもしれない。

そんな甘い夢を見て1年、また1年と続けてきたが、15年で限界です。

私は、退場します。

  • ゴミばかりだから結局営業力のほうが大事だよな

  • せっかくだから貼ってみてよ 「ゴミを貼るな」 って言われそうだけど

  • お疲れ様でした

  • ほかの仕事をしつつ副業として音楽やったら意外に成功するかもよ

  • 引退後はどうやって食って行くんだろう。 ちょい前の底辺プロスポーツ選手増田を思い出したけど。

  • お疲れ様。私もどこかで増田の音楽に会ってるかもしれないな。

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