2017-09-25

LGBTポリコレとかどうでもいいから、とりあえず部屋を借りさせて

10年来の同性のパートナーがいる。

最近色々あって一緒に住むことになった。

二人とも職場や友人、家族にはカミングアウトしていない。

互いに同性愛者だから付き合った、というわけではなく友人から発展した関係なので、

他に同性愛者の友人もいなく、そういう界隈の情報も疎かった。

とりあえずルームシェアという形で探した。

見つからない。

あれ?今テラスハウスだのシェアハウスだのはやってるんじゃないの?

色々聞くと、友人同士だと関係破綻した際に滞納の恐れがあるため大家が嫌がるケースが多いらしい。

タグにはちゃんと「ルームシェア相談」と書いている物件なのに、

問い合わせるとNGを食らうケースもめちゃくちゃあった。

収入上、一人だったら連帯保証人通さずに借りれるのに、

ルームシェアとなると途端に両方に連帯保証人必要になるのだ。

なんでだよ。

もちろん、駅から距離とか、築年数とか、間取りとか、賃料とか、

何かをあきらめると可能性も大きく広がる。

でも、どうしても「一人で同じ条件ならOKなのに、二人だとなんで?」という行き場のない憤りが生まれる。

「二人入居可(同棲)」なのに「ルームシェア(同居)は不可」という物件も非常に多かった。

そして、「二人入居可(同棲)」に、「同性同士」の可能性はみじんも含まれていないのだ。


最近LGBT活動がよくニュースで聞こえる。

当事者のくせに、それまで「ふーん」としか思っていなかった。

SUUMOに「LGBTフレンドリー」の検索タグが追加されたらしい。

とりあえず都内可能性がある路線を全部入れて、ほかには何も条件を付けずに検索してみた。

33件。

まあ、こんなもんなんだろう。

おまけに何件かは、明らかにおとり物件も含まれていた。

なんだか泣けてきた。

私たちはずっと隠れてきた。

手をつないで公道を歩くカップルをうらやみ、

職場での恋人談義を曖昧にかわし、

今は「友人」と偽って部屋探しをしている。

情けないことに、私たちは日々の生活でいっぱいいっぱいで、

LGBT活動家の方々のように、いろんな偏見差別と闘うようなガッツはない。

それに、辛い思いをされている方には大変申し訳ないが、

たくさんいるLGBTの中の一人としては、トイレとか、更衣室とか、正直どうでもいいのだ。

生理的嫌悪感を催す方がいるのはわかっている。

家族や友人や、職場世間の人、全員に祝福されないのだってわかっている。

子供だって望めないのも、もちろんわかっている。

ただ、好きな人と一緒に部屋を借りたい。

何かあったときに、病院やそのほか機関から連絡がほしい、病室にいれてほしい。

手をつないで、近所の公園を、人の目を気にせずに散歩がしたい。

老い死ぬときに、一緒にそばにいたい。

それだけだ。


でも、とりあえずは、本当にとりあえずは心からいろんな人に他力本願承知で頼みたい。

他のいろんな権利はいったん置いといて、せめて、「2人入居可(同棲)」に「同性同士」を入れてください。

  • 一カ月ほど前にこの日記を書いたのですが、やっといい物件が見つかったので備忘録的に書いておきます。 私たちは最終的にLGBTとしてではなく、「友人同士のルームシェア」として物件...

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