2018-01-17

今、雰囲気アニメが熱い

ストーリー不要の話があったが

ここ数年、ストーリー性の薄い雰囲気アニメがすごく良い感じだと思う

 

雰囲気アニメ? 薄味アニメ? 癒やしアニメ? 難民アニメ? ゆるアニメ? 名前はどれでもいいしどれも違う気がするが

重厚ストーリー、バトル、恋愛ギャグなんかより場の雰囲気を重視した作品

からかにあったと思う

よく引き合いに出されるのはアリアあたりか?ヨコハマ買い出し紀行とかもあがるな

※薄いという表現が正しいのかはよく分からないが

 無言で派手な動きもないシーンが10秒続くのが普通に起こり得るような「静」の作品

 

正直昔はああいう「何も起こらない」作品が大嫌いだった

味の無いガムを噛んでるような感じで、耐え難い苦痛だった

見終わってから「何も起こらなかった」「どこを見ていいかからなかった」「事件はまだか」「いつ殺人が起こるんだ」という感想を抱いた

何か始まりイベントが起こるまでは全部退屈なプロローグだと思っていた

でもそれがいつからか、好きなジャンルになっていたんだ

 

明確に何かがオカシイと気づいたのは、ふらいぐうぃっち(2016)あたりだ

舞台故郷だったので見たが、あまりの薄さにおったまげた

コンビニで高いミネラルウォーターを見たときのような衝撃だ

開始10分でこりゃダメじゃねーかと思ったんだが、結局最後まで見てとても面白かった

そのあと5周くらいした

あのアニメは恐ろしい

ラブコメがない、強いギャグも強いストーリーもない、百合もない、テコ入れすらない(風呂水着回がない!)

キャラクターと、背景と、雰囲気と懐かしさと、あと何かよくわからない力で構成されている

 

思い返すと雰囲気アニメの流れは確かにあった、きらら枠だ

あれでだいぶ薄味に慣れてしまったのだと思う

ご注文はうさぎですか?(2014)や、のんのんびより(2013)のように、普通アニメよりは薄味だけど面白いものが増えたんだ

この4コマゆるゆる漫画アニメ系譜を遡れば、ゆゆ式(2013)、けいおん(2009)、ひだまりスケッチ(2007)、個人的にはその手前にあずまんが大王(2002)を置きたいんだが

どうも年々薄くなっていってる気がしてならない

まるでどこまで薄くできるか試してるみたいだ

そして自分でも驚くほど薄いアニメがとても面白い

 

おそらくああ言う作品は引き算なんだと思う(※食戟のソーマパクリ

強い要素、びっくりする要素を引いていった結果、今まで注目してこなかった味を強烈に放つのだろう

そういう意味ではどこまで引いて面白くできるかというチャレンジなのかもしれない

あと、変な話だが重厚なほど見るのが億劫になるというのもあるかも

刺激が強すぎない分、何度も繰り返し見たくなる

(単に年を取ったからと言えばそれまでなんだけど・・・

 

とは言えそういう作品をちゃんと仕上げるのは容易なことではないはず

中の人たちが頑張って、ようやくそういう作品が作れる時代になったのではないかと思う

未だに毎期驚きに満ちていてヲタとして幸せ

 

嬉しいことに、そう言った潮流のいい面を取り込みつつ(?)、ちゃんとストーリーやバトルも組み込んでいる作品も増えている

雰囲気"も"素晴らしいアニメに仕上がってるんだ

これはたぶん、原作側が変わったというよりアニメ制作の方が進化したんじゃないかな。15年前じゃ中々実現が難しかった気がする

直近で言えば、宝石の国(2017)、少女終末旅行(2017)、メイドインアビス(2017)などなど

(※ここにけものフレンズを入れたいんだけど、けもフレは更にその上を行く化物フレンズから別枠かもしれない・・・

 

今期も眺めてみると薄いのに面白いのがたくさんある

一番注目してるのはゆるキャン△(2018)だ

あれも薄さがヤバイ

キャンプ場行って、テント立てて、山を眺めて・・・

あの薄さはふらいんぐうぃっちに迫る勢いがあるが、やっぱり何故か面白い、何度も見てしま

 

元増田がなろう系を「日記」と称していたが、まさにそうで

キャラクターと一緒に何かするという共感覚面白いのかもしれない

たぶん実際に一人でキャンプしても楽しくない

最近バーチャルYoutuberなんかも流行りだが、魅力的なキャラクターと一緒に何かするのは楽しいんだ

それがアニメになって面白いのだとしたら、それは新しいストーリー設計スタイルなのではないかと思う

(とは言っても、友人にこういうアニメを見せると「何、どこを見ればいいの?」って言ってくるから、人は選びそうなんだよね)

 

追記

薄いというのに語弊があるのは分かってる、けど良い意味で薄いというのは推したい

昔は必須と思われた構成要素や、分かりやす表現が少ないという意味

(静重視の作品とか、間重視の作品でもいいけど)

難度が高いのは確かだと思う、眉が数ミリ違うだけで意味が変わってしまうのをコントロールしてんだ

意識の外にある情報量が多いんだと思う

間や音楽、光加減、表情、声、色々噛み合って初めてキャラ感情場の空気が察せる

派手じゃないからこそ察せたときに嬉しいんだと思う(好きになっちゃって、難民化する)

今だからこそできるすごい技だよ、何であんなの作れるのかわからん

 

これ以上は私の言語能力が足りない

誰かゆゆ式説明してほしい

 

 

アビス宝石は、もちろんきらら枠とは違うよ

バトルあるし、ストーリーも強い

ただ、明らかに「それがなくとも面白い」って感じた

静の作品と同じ魅力を感じたんだ

10年以上前、バトルがあるアニメのバトルがない回で「はずれ回」って言う人が居たんだ

自分はそこまでじゃなかったが、ストーリーに進展がないと「はずれ回」って思ってた

でも、あの頃とは何かが変わったと思う

全シーンが好きなんだよね

  • 濃度なのかな 個人的には起伏だと思う

    • 起伏もある ディズニーから続く、ジャーン!みたいな、静と動!みたいなのがあまりないし 大きな起承転結もあまりない   濃度もあると思う 例えば絵として縦や上下、強いパース、大...

  • まったく逆に、ノンストップで次々と個性の強いキャラが出てきてバトルシーンばっかりあって、非常に画面が派手なはずだがほとんど頭に残らない雰囲気作品、というのもあってだな...

    • それはいい意味で? 体験したことないな 見逃しているのか

  • この数十年で「感情の表現力」が格段に上がったのは大きいかも。 昔のTVアニメって紋切り型の演出手法を使い回すつくり方だったから、 相当ハッキリしたメリハリ付けないと映像の...

    • そうそう、まさにそんな感じだ 中で何が起きているのかは業界人じゃないので分からないけど 明らかに全体が進化していると思う (たぶん解像度が上がったとかのハード面の事情もあ...

      • 同感。自分も、観る側として、 これからもっと面白くなると思う。 毎クールごとに本当に楽しみでしようがない。

  • 私としては「何もない」系から一転して強いストーリー性を打ち出して成功した 『だがしかし』 を推したい。

    • わかる! だがしかしもソレだよね でもアレめっちゃ動きまくってるじゃん、ちっとも静じゃないじゃん、むしろ引くより足してるじゃん と考えるともう何か難しい 結局表現力って言え...

  • 本来的に「映像表現」って「時間のデザイン」なんですよね。 始まりから終わりまでの流れを「視覚や聴覚の刺激」を駆使してデザインする感じ。 全体的に激しい刺激を畳み掛けても...

    • 長いよ 3ぎょうで

    • 確かにいろいろなパターンが出てきていると感じる もはや一個の括りで考えられないくらいに境界が曖昧になってる (だから日常系っていう言い方も正しくない気がしてる) 5年くらい...

      • 今後はジャンル別けって機能しない時代に突入する気がします。 複数タグの掛合せでないと検索不能な物が増えてるので。 売上げは...買い支えないとですねえ。

  • 昔のアニメは売れるために様々な要素を一つのアニメに沢山詰め込んでいたけど 今のアニメは逆に一つの要素に特化した方が受けるって話を思い出した

  • アビスと宝石を入れてる時点でただ自分の気に入ったものを同じ枠に入れてるだけのゴミだな ゴミが語るな ふらいんぐうぃっちが好きだという奴も好かんなあ なにがテコ入れが無い...

  • 日常ものって雰囲気アニメだったのか…

  • 雰囲気アニメの定義が間違ってるような気がするけど、それは置いといて。 日常系アニメの源流は『魔法のスターマジカルエミ』(1985)にあると思ってる。 BGMを抑えて、自然の効果音を...

  • https://anond.hatelabo.jp/20180330021658 https://anond.hatelabo.jp/20170509221327 https://anond.hatelabo.jp/20180116071707 https://anond.hatelabo.jp/20180117230117 最近こういうはてな老害みたいな記事書くやつ増えてきた...

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