はてなキーワード: 愛媛FCとは
傍から見たら整合性が取れないこの2つ。でも、この2つの間には超えられない壁がある。
それは「契約」の有無だ。
政府や自治体は、プロスポーツチームとは何ら契約関係が無い。だから試合を中止・延期要請しても何も法的には問われない。一部のJリーグチームは自治体が株主になっていることもあるが、契約とは異なり、試合を中止・延期させても何ら契約違反行為は無い。だから強気に出られるし、最後の手段として競技場を強制閉鎖させる事だってできる。実際去年、Jリーグ2部の愛媛FCなどは自治体から施設の使用許可が下りずに試合延期したことがあった。
一方で、五輪に関してはスポンサー企業と政府・自治体との間に明確な契約が存在する。もちろん免責事項は契約の中にあるが、基本的には「開催中止の場合は巨額の違約金が発生」することになっている。
だから、一見ダブスタに見えるこのような五輪強行・通常スポーツイベント自粛要請という行動を政府と自治体はせざるを得ないのだ。
世の中、「なんでこんな簡単なことやってくれないんだろう?」というものはいっぱいある。例えばせっかく高い金出して新しいエアコン買っても、そのエアコンの取り付け工事の最中に「あ、こっちに設置したほうがよいかも」と気づいて設置変更を業者に要望しても通らないケース。これはエアコン販売業者と設置業者との間に委託契約の関係があり、その契約で記載されている「事前にエンドユーザーと定めた場所に設置する」という条項を破ることが出来ないからだ。いくら設置途中に出てきたエンドユーザーの要望とはいえ、その通りにやったら「事前に定めた」という部分が契約不適合(最近の民法改正で、このようなケースは瑕疵ではなく契約不適合と言う)となり、売上がもらえなくなってしまうのだ。
一見理不尽やダブスタに見える事象については、なんらかの契約関係があり、それを破ることが出来ないためと思った方が良い。ほぼ100%そのためだ。これが「大人の事情」というヤツでもある。契約破棄して知らんぷりしろという人達もいるだろうが、万が一そんなことをやったら日本は世界各国から相手にされなくなる。そうなると何が起きるかは言うまでもないだろう。