昔から人並みに出来ない事が多かった。小学生の頃、鉄棒は世界がひっくり返る感覚が怖くて無理だった。食べるのが遅くて給食の時間が終わっても一人居残り。逆上がりが出来なかった子供の予後は悪いというツイートを見かけた。まさしく自分だと思った。
健常者だがあからさまに何かが劣っている人間だと幼稚園生くらいから自覚しはじめた。その何かが顕著に現れてはいないが。でも、私は女だ。思春期になりそれなりにグレて化粧を覚えてからなかなかの見た目になれた。許される事が多くなったように思えた。人と少しズレてる部分が、容姿が良くなっただけでおっちょこちょいや天然に変わったのだ。
水商売に入ってからはそれが存分に生かされたし、自分より変な人間も、バカな女も男も多くて暗めの店内で酒で全てが有耶無耶になる空間が心地良かった。でもここですら自分のズレを感じた。水商売の女の子のキラキラした世界やバカみたいな売り上げ、ブランド物、ホスト、ほとんど興味が無かった。おじさんと枕営業してシャンパンタワーしてもらって〜とか出来るキャバ嬢は立派だ。あれは並大抵の努力ではない。私はただ、昼の仕事で朝から晩まで働いて電話を取り人と会話する事が出来ないから水商売をしている。スーパーに行った時に値段を見て最近野菜高いな、買うのやめておこうとなるのが嫌なのだ。足が痛いならタクシーに乗りたいし、日常の中でお金がないから我慢しよういう事が嫌だ。一番金が貯まらないタイプである。それなりの売上を上げたこともあるけど、抜きん出てたわけではない。数少ないが枕営業もある。でも少し顔が好みで、バースデーに誰も来なかったら惨めだからというなんとも言えない理由だった。
私は何にカテゴライズしてもらえるのだろうと思う時がよくある。ただの怠惰人間かもしれない。やたらと名前をつけて欲しい時がある。ADHDでもHSPとかでもないんだろうな。スクールカーストや陽キャ隠キャについて語ってるYouTuberがいた。三十路とからしい。もうええでしょう。心底気持ちが悪かった。でも私も、誰も見ていないのにキーボードの変換学習をリセットしまくる気味の悪い人間。誰かに携帯貸してって言われた時に予測変換で私の事はかられたくないから。もうそろそろ人類は滅びるべきだと思う