2024-09-13

麻薬取締法改正メモ

麻薬取締法改正するわけだが

2条1号が変わる

 

旧:一麻薬 別表第一に掲げる物をいう。

新:一麻薬 別表第一に掲げる物及び大麻をいう。

 

トリッキー改正で、「別表第一」には様々な麻薬の成分がリストアップされているんだけど

大麻をこのリストに加えればいいのに、わざわざ2条1号の文言修正している。

 

なぜかと言えばできない、このリストに加えると大麻麻薬扱いしなきゃならない

意味わかんないよね

今回の改正大麻麻薬指定はしてないんだわ、

いやいやいや、単語定義で明瞭に麻薬指定しているではないか

これね、麻薬指定してないの、指定するなら別表1に加えなきゃならない。

 

法律最初には単語定義を示すものが多いんだけど、これはエイリアス

もしくはC言語#defineのようなもの動作作用定義するものではない

 

まりあくまでも麻薬取締法の条文中の麻薬という単語エイリアス定義しているにすぎない

その目的は読みやすくする。

例えば「麻薬製剤業者」は法律中に28箇所出てくるが、ここで全て

厚生労働大臣免許を受けて、麻薬を製剤すること(麻薬化学的変化を加えないで他の麻薬にすることをいう。ただし、調剤を除く。以下同じ。)、又は麻薬を小分けすること(他人から譲り受けた麻薬を分割して容器に収めることをいう。以下同じ。)を業とする者」

と書いていたら読みづらくてかなわん、だから#define

 

麻薬製剤業者」を短命定義する。

 

例えば、道路法道路交通法ではそれぞれの法律の中において「道路」の定義は異なる。

道路交通法道路法スーパークラス継承しつつオーバーライドしている。

こういうことはよくある。

(ところがこれがややこしくて、道路法では道路のもの定義をしている、道路交通法では道路エイリアスにすぎない)

 

ともかく法律は1条で立法目的趣旨を書いて、2条で法律中の単語エイリアス定義するのが作法

 

ともかく、ところが、「麻薬 別表第一に掲げる物及び大麻をいう。」と書けばあたか

法は大麻麻薬と同等に扱っているかのように誤読するだろう。

大麻麻薬だぁと、国家権力定義したぁと

 

ちゃうちゃう麻薬指定をしてるんじゃない、麻薬という単語エイリアス定義にすぎない。

これを

 

ニャオハ 別表第一に掲げる物及び大麻をいう。

 

定義しても法律中の論理構造は崩れない。ただのエイリアスから

 

で、なぜこのようなトリッキー改正をしたかというと

立法目的

麻薬及び向精神薬濫用による保健衛生上の危害を防止し、もつ公共の福祉の増進を図る」

 

こっちと干渉してしまう。

 

大麻麻薬として扱う、つまり別表1に加えてしまうと、

大麻によって「保健衛生上の危害」が生じていることを立法事実として示さなければならない。

 

ところがね、これが無いのよ。

我が国大麻による健康被害、保健衛生上の危害が生じているという立証がされてない。

だって危害生じてないんだもん。

 

まり今回の改正国家大麻危険ものと認めたのではなく

大麻危険が無いと認めた、と読むのが正しい

 

大麻危険ものだとするなら別表1に加えりゃいいんです

ともかく、とはいえかなりこじつけ矛盾はらんだずさんな改正で、今後のこの定義周辺を突いた違憲訴訟が楽しみだが、どうせ立法裁量内で括られるんだろうけどw

法治国家バンザイ

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