私は10代20代の頃、何度か痴漢という性被害にあっています。
痴漢にあったというと、自意識過剰とか、虚言とか、冤罪の認識があるようで、被害者なのにあまり表立って言えません。
さらに被害にあったのは高校生の頃、専門学生の頃と、漠然とした年代と、痴漢された場所、家の近く、JR中央線は言えるけど、決め打ちはできません。
あまりにも悲しく辛い出来事なので、普段はその記憶を思い出せません。
ただ、満員電車で男性の近くに乗り合わせてしまうと、未だに体がこわばってしまいます。
そして、この話をすると、痴漢被害と強姦は違うだろ、と言われるのが目に見えています。
性被害にあったならすぐに警察や親に言えなかったの? という意見も散見しました。
私は性被害にあったことを両親に言ったら、確実に過剰以上の心配し、泣き崩れる。
そして門限が厳しくなることを想定して言えませんでした。
私が10代の頃、親に心配をかけることが罪で、自分の行動範囲を制限されることを恐れます。愚かな子どもでした。
しかし、30代半ばになった今も過去にあった痴漢被害は言えません。
きっと怒り狂って、さめざめ泣いて、30半ばなのに毎日連絡をしろと言い出し兼ねません。
私は辛いことより、面倒をとってしまいました。本当に馬鹿な女の子です。
性被害にあったのに、詳しい年代覚えてないとかありえない、と、思っている方もいますよね。
でも覚えていません。
だって、性被害にあったことを記憶の底に鍵をかけて沈めていますから。
ジャニー喜多川氏の事件がテレビで流されるようになって、自分の痴漢被害のことも急にガチャっと鍵が開いて、芋づる式に思い出しました。
その気色悪い感触は蘇っていつまででも覚えているけど、詳しい日程は覚えていません。
人間は悪い記憶を忘れているように出来ていることをひしひしと感じます。
一部のジャニオタの方の中で、「この人が被害にあったタイミングでの性被害は、〇〇のタイミングだからありえない!」
と叫換している方もいますが、たぶんプラマイ3年くらいはズレていると思います。
あの服を着ていた、とか、あの髪型だったとか、拙い記憶を手繰り寄せて証言をしているはず。
私だって夏の制服を着ていたから多分夏のあの時とか、ユニクロのタートルを着ていて寒かったから冬とか。
思い出せるのってそれくらいです。
そしてその嫌な、ただその人の一方的な性欲を満たすだけの感触は覚えているのです。
私は、高校の指定の制服や、デニムのパンツを履いてる時に痴漢被害にあいました。
制服のスカートを極端に短くしたこともないし、ボディラインが見えるような服をきていたタイミングでもありません。
扇情的な格好をしているなんてツユほども思っていません。
それでも痴漢被害にあった方にも落ち度がある、証言に裏取りが取れない、と言われてしまうなら、
この国は性被害に合っても誰も助けてくれない、救いがないと感じています。
私はジャニオタです。コロナの閉塞感がある時、ジャニーズのタレントたちが私を元気付けてくれました。
彼らがいなかったら、私は社会復帰ができませんでした。
だから、私が愛したジャニーズ事務所の崩壊を見るのは本当に辛いです。
しかし、一部のファンたちが性被害者に対して批判をしている様を見るのはもっと辛いです。
私は何も悪くないのに、やはり私が悪いのか……
推しという大切なものを守ることも大切ですが、被害に遭われた方に対する言動も考えていかないといけないと、考えさせられた数ヶ月でした。
ここにジャニオタはいない Xのジャニオタに届くといいな