2023-04-11

クレベリンに至る道

インチキ商品のクレベリンにやっと消費者庁の手が入り課徴金が課されたが、何の前触れもなく出てきてヒットした訳ではない。

薬局市場で受容される先達の轍があった。

 

三洋電気ウィルスウォッシャー

2007年三洋電機が医療施設向け業務空気清浄機ウィルスウォッシャー」を販売する。この商品業務用としては異例の売り上げを誇った。

納入先は殆ど病院

すると噂を聞いた他業種の法人から注文が来るようになり、医療用機材でありながら他業種にも多数納入された。

後の2009年一般向け発売。結構なヒットとなった。

 

謳っていた効能と仕組みは水道水から電解水を生成し、OHラジカルを生成。同時に浄水場水道水に添加される次亜塩素酸が空間に放たれてこれが空中のウイルスに付着して表面膜のタンパク質スパイク不活性化させるというもの

 

若手医師看護士の間で塩素タブレット流行

2007~2010年くらいにかけて、首から塩素錠剤が入った袋を提げた医師看護士が多くなる。

小さいクリニック、大きい病院の別なく流行した。若い人が多かった。

三洋ウィルスウォッシャー流行効能書きから浮遊次亜塩素酸は抗ウイルス性がある、と考えられたと思われる。

 

アルカリ電解水云々の商売流行

2010年代の後半あたりからアルカリ電解水商法流行

その業態から怪しさが増し、「アルカリ電解水アホだろ」的ノリが強くなる。

 

新型コロナアルカリ電解水とクレベリ

で、コロナが来てクレベリンですよ。

最初、あの商品特に広告とか打っていなかった。それで薬局が大量に仕入れするってのは、SNSでの流言だけじゃなくて過去塩素タブレットなんかの流行があったからじゃないのかね?

だって中身はあれが液体になってるだけなんだから

 

そもそもの初めのウィルスウォッシャー自体効果があったんだろうかというのが疑問だ。

これって今のアルカリ電解水空間除菌と同じものだろう。そういうのを病院は大枚叩いて購入していたって事になる。

空間除菌問題議論されたように空中の次亜塩素酸は濃度が高けりゃ効果がある。でも効果がある濃度の雰囲気なら人間の呼吸器が破壊される。

OHラジカル(ヒドロキシルラジカル )は活性酵素の一つだが普通状態では寿命が極端に短い。そのまま空間を浮遊するなんてことはない。

ヒドロキシルラジカル工業的に使われてはいる。でも発生させるために強い紫外線照射レーザー(ガス使用)、プラズマが使われている。

三洋ウィルスウォッシャーフィルターに通風するだけ。

 

って事はやはりこの三洋ウィルスウォッシャー自体インチキ商品だったと言う外無い。

そこからインチキミームがしぶとく生き残って三幸製薬は大金をゲットした。この時購入した人らはちゃんとした除菌、手洗い、アルコール、HEPAフィルタ付き空気清浄機などを怠っている訳だから罪は深い。

なので、

三洋病院専用に卸して売っている製品からきっとちゃんとしたもの/ちゃんとした理屈大学6年も行った若手のお医者ナースが使ってるから効果があるもの薬局に沢山売られているかちゃんとしたもの

という権威主義カスケードが背景にあったのであった。

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