2022-08-19

好きだったヤクザのおじちゃん

祖父田舎じゃ規模のでかい建設会社創業者叔父と叔母の婿がそこの社長、父は地方銀行員って感じの家庭で育った。小さなから祖父の家に行くとよくヤクザさんが来てた。ヤクザって言っても三次団体の小さな組。祖父満州から引き揚げて建設会社を起こす前に、土地を失った地主たちのために元の小作人から無理矢理小作料を取り立てる仕事をして稼いでおり、その時からの付き合いらしい。

親分さんと祖父は県会議員や地元選挙区議員後援会の人、県庁職員や父の上司銀行の人を連れてきては両脇から肩を組んで酒を飲ませ、色々困らせていた。

俺が好きだったおじちゃんはそこのヤクザだった。小さな頃はよく祖父叔父親分さんにからかわれて泣かされていたんだけど、そのおじちゃんは物静かで「これ食べるかい?」と刺身なんかを食べさせてくれた。話し方とかも子供扱いしてこなかったので好きだった。そのおじちゃんの「親分どうも」という挨拶と独特のおじぎが好きで小さなからよく真似していた。祖父親分さんは笑っていたが、父や母は良い顔をしなかった。大人になってから知ったが賭場開帳や強盗殺人未遂前科があったそうで、そりゃ両親的には子供が懐くのは嫌だったのだろう。

俺が中学受験のために母と上京するタイミングで組が解散した。親分さんが高齢になったのと、ヤクザへの締め付けが厳しくなり始めたタイミングだった。

それ以来おじちゃん親分さんから譲ってもらった喫茶店雀荘をやりながら独りで暮らしていた。奥さん子供はいるけど何年も会っていなかったらしい。

大学に入った最初夏休み帰省した際にその雀荘地元友達と行った。アルバイトのお姉さんだけがいて「店長来ないんだよね」と言っていた。心配になってお姉さんとアパートに行くと、そこで亡くなっていた。着替え中に脳梗塞で亡くなったようで、服を脱ぎかけたまま倒れていた。

通夜お葬式には行けなかった。両親からダメだと言われたし、その頃は祖父叔父や父から強く言われてヤクザとの関わりを絶っていたから。葬式のあった夜はとても悲しい気分で過ごした。それから雀荘で両親には内緒でこっそりお別れ会をした。祖父、俺、友達バイトのお姉さん、元親分さん、元組員さん、おじちゃん恋人だったスナックママなどが集まった。それからしばらくして親分さんも祖父も亡くなった。

最近地元繁華街覚醒剤を巡る半グレ乱闘騒ぎが起こったそう。祖父親分さんに「そろそろ引退して解散しろ」と言った際に親分さんが「この辺でシャブ売り出すやつが出てくるぞ」と言っていたが、その通りになったんだなと複雑な気分になった。

  • 統一教会が出てこない。書き直せ。

    • 馬鹿の一つ覚えみたいに統一統一うるせえな

      • 馬鹿は「正しいか間違っているか」よりも「何回も言われて鬱陶しいから」で物事を否定する。 これは母親から何回も「宿題をやったか」と聞かれて拗ねてやる気をなくした幼少期の経...

  • 親分さんと祖父は県会議員や地元選挙区議員の後援会の人、県庁の職員や父の上司の銀行の人を連れてきては両脇から肩を組んで酒を飲ませ、色々困らせていた。 土地を失った地主...

  • ヤクザが締め付けられて半グレが出てきたとかアホ抜かしてる馬鹿いるけど、半グレは所詮ぼったくりバーや覚醒剤売ってるだけで市民に影響ない。ヤクザは入札とかにも絡んでくるし...

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