2022-07-07

「お控えください」の真意

私には小学生の子どもがいる

昨日、すっきりと晴れた午前中とは対照的に、ちょうど下校時刻あたりに強い雨と雷が発生する見込みだと天気予報アプリから通知があった

玄関には子どもの傘があり、あれだけ傘を持っていくようにと伝えたのに忘れてしまったようだった

学校に置き傘として折りたたみ傘はあるものの、かなりの強い雨だというアプリの通知に学校まで自動車で迎えに行こうとしていた

ぽつぽつとふり始めた雨の中、まばらな交通量のおかげもあり、想定していた時間よりも早く着きすぎてしまった

正門付近にある駐車場には、同じように数台の自動車が待機していて、あと数分もすれば駐車場は満車になるであろうことは明白だった

駐車場でも少し奥まった位置に停車していた私は、下校時刻まであと20分以上もあることもあって、一旦駐車場から出て近隣の商業施設で買い物をすることにした

買い物をしていると小学校からメールが届いた

「下校時刻に強い雨が予想されているため、児童学校に留め置きます。下校するタイミングはまたメールにてお知らせいたします。」

通学路に小さな川や、交通量の多い道路があるため児童安全第一に考えた末の配慮だろう

私は買い物を続けながら、下校のタイミングを告げるメールを待つことにした

2通目のメールはすぐに来た

「徒歩でのお迎えの場合教室児童を引き渡します。自動車でのお迎えは大変な混雑が予想されますのでお控えください。」

自動車で向かうことは控えてほしいとの連絡だった

しか小学校の正門へと続く道は一方通行で、並行して走る幹線道路をつなぐ裏道としてある程度の交通量がある

そこをお迎えの自動車で塞いでしまうと、渋滞の車列が幹線道路まで延びてしまたことも過去にあったし、事故発生の可能性が普段よりも高くなるための通達だろう

天気予報アプリではあと30分ほどで雨は小康状態になるとの情報もあり、私は買い物を終え一度帰宅することにした

帰宅途中、小学校の近くを通ったところ、やはり正門付近には自動車が集まっていて、駐車場から溢れ出た自動車渋滞が発生していた

自宅へ戻り小学校からの連絡を待った

雨の勢いが落ち着き始めた頃、「あと10分ほどで下校させたいと思います。」との連絡が来た

この程度の雨ならば折り畳み傘でも大丈夫だろうと、私は子どもの帰りを自宅で待つことにした

10分後、子ども携帯から電話があった

「どうして迎えに来てくれないの?みんな来てくれてるのに、なんでうちは迎えに来ないの?」と怒っているようだった

学校から自動車での迎えは来ないでほしいと連絡があったし、今くらいの雨なら折り畳み傘でも大丈夫でしょ?と伝えると返事もなく電話が切れた

それから40分後、帰宅した子どもを迎え入れると驚くようなことを言い出した

クラスで迎えに来なかったのは3人だけだった」「あとの子はみんな車で迎えに来てもらっていた」

子どもの言うことだから多少の誇張はあるだろうが、それでも私が帰り際に見たあの渋滞裏付けるような話だった

自動車でのお迎えはお控えください」という連絡を受け、私は学校真意を「自動車での迎えはNG」だと受け取った

しかし、クラスの9割近くの保護者自動車で迎えに行った

この事実を受け「お控えください」の意味がわからなくなってしまった

昨今、定型文のような婉曲的に配慮をした文章は伝わらないようになっていると感じる

自分に都合の良いように解釈することで相手真意作為的無視して、利己的に振る舞うことが増えているように思う

この一連の話を友人にしたところ「真意意味が正しいことと大多数が導き出した結論は、それぞれを尊重する時代なのかもしれない」と言われハッとした

解釈方法結論に至るまでの道筋は人の数だけあり、それらは尊重される時代なのだと気付かせてもらったが、それでも未だに腑に落ちない

「お控えください」の文化はもう滅ぶのだろうか

  • 「お控えください」は基本は「やめろバカ」という意味だと思うけど、受け取る側は「しょうがない時はしょうがないですよねー」と適当に解釈するからダメなのかもしれない。あとそ...

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