2021-10-09

リアルな演技とは

 最近リアルな演技とはなにかについて、考えている。

 きっかけはエロサイトで見つけた女優最初インタビューで「人妻です。亭主とはもう単なる家族で、セックス燃えない」といった話をするのだが、本当にそういう立場の人が本心で語っているように見える。ところが、これは嘘。「AV女優のみなさんに聞く」といった内容のネット番組に同じ人が違う名前で出演し、まったく違うことを話していた。そのときバラエティなので、AV女優の道に進んだ経緯などを本心から話していた。

 私には「人妻です」と語るこの女が、内心をさらけ出しているように見えた。バラエティ番組でも同じことを感じた。2つの番組で言っている内容が異なるということは、どちらかで嘘をついたことになるが、私にはどちらが嘘なのか見分けがつかない(両方嘘の可能性もある)。こういう人こそ演技が本当にうまい人なのではないかロバート・デ・ニーロ笠智衆が「人妻です。亭主とはもう…」というセリフでここまで自然な演技ができるだろうか。

 もうひとつネット配信で見た少女麻雀映画。誰も出演者演技力など気にしないような作品だが、その中に、登場人物クラスメートとして、本物の女子高生らしき人物が2人登場する。他の人物演劇学校で教えるような発声でしっかりした演技をしているのに対して、2人は普通発声で演技をしていた。たどたどしく見えるが、これは本物の教室で交わしているような会話が、演技メソッドから外れているだけなのだ。同じ作品に、大会会場のさえない警備員おっさんがほんの一瞬映るのだが、これもロケ会場の警備に駆り出された本物の警備員おっさんを映したのであろう。ある意味肉体労働なので時給は悪くないが、土砂を運ぶ力はなく、建設機械を使う資格もないという理由で警備のバイトに応募する人がよくいる。まさにそういうおっさんなので、リアルであることこの上ないのだが、映画文法に照らしてみれば不自然存在だ。

 ビートたけしが言っていた。「よくリアル喧嘩のシーンが良かったなどと言われるけど、リアル喧嘩は一発殴って終わり、殴った方も指の骨が折れる」。つまり私達がリアルと思うものスクリーンの中のリアルであり、現実社会リアルとは別のところにある。

 AV女優演技力を数値化するなら、さまざまな出自女性の役で作品撮影し、どの作品の中で語っていることが本当なのかを100人に予想させれば、正解率が目安になるのではないだろうか。

  • 演技とは「らしさ」であるとも言える。 「らしさ」とは、そのシチュエーションにいるそのような人物は、そのように動き、話すだろうという、私たちが共有している思い込み、という...

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