2021-01-14

貧乏人を救う政党ブルーオーシャンに見えて、レッドオーシャンだった

マルクス主義社会学者橋本健二は著書『アンダークラス』で現代日本貧困層分析を行い、今の政党が彼らの代弁者たり得ないことを述べた。

貧困層は、政治的な右左はばらばらなものの、再配分には多くが肯定的である

経済的な再配分を第一党是とし、その他の政策イデオロギーにとらわれることなく、柔軟に対応する政党を作れば、貧困層の支持を得る可能性が高く、またそういう政党存在しなければ、貧困層を救えない。

現在日本の「左派政党においては、再配分は「定食に出てくるおかずのひとつ」に過ぎず、その他の左派政策・主張の方に力点がある。

この本が出版されたのが2018年12月

参議院議員だった山本太郎2019年4月1日に「れい新選組」を旗揚げする。

れいわの主張の根本は、再配分であり、貧困者の経済的充足である

山本自分財務大臣にするなら自民党とも手を組む、と冗談交じりに言った。

それを批判したツイッターリベラルは多かったが、山本はおそらく橋本のこの本を読んでおり、貧困者への経済的利益第一に代弁するならば、その他の政策妥協しうる、下層民を代表する政党、という橋本の構想を取り入れたのだろう。

参議院選挙でも都知事選でも、積極財政による、貧困者への経済的充足を第一に訴えた。

参議院選挙が始まるころになると、リベラルにふだん批判的な池田信夫ですら、山本の「貧困層を取りに行く」政党について、大きな支持を得るだろうと予想した。

かに参議院選挙では2議席取った。

だが、それまでだった。

山本の訴えに共感するような人たちは、たとえ貧困層であっても、「意識が高い人」たちであり、「学はあってもお金がない」人だ。

でもそんな人の数は限られている。

圧倒的多数の、「学も金もない」アンダークラスには届かなかった。

日本にはアンダークラスを代弁する政党がない、そこを目指せば、ブルーオーシャンだ、そう思っていた人も、

じつは、それがレッドオーシャンだったことがあらためて分かった。

貧困層は、政治的意識が低いので、選挙に行かない。

政治的関心も低いので、山本太郎に興味を持たない。

貧困層利益を代弁するような主張をしても、票にならない。

従来どおり、高学歴リベラル価値観で組まれ政策定食」のおかずのひとつ貧困対策を置いたほうが、票は取れるのだ。

このような失敗は、昔からあり、ロシア革命の時も、革命勢力農民を説得して回ったが、結局、農民体制を支持し、革命には参加しなかった。

最近だと10年くらいまでのロスジェネ運動においても、結局、一般非正規労働者フリーターには言葉は届かなかった。

貧乏人を救う政党は、民主主義社会においては、成立しえないのである

  • そりゃ金持ちのホモに媚びるはずだわ

  • 貧困対策なんて手垢付きすぎてなぁ・・・ ブルーオーシャンどころじゃない ベーシックインカムも竹中にとられて手垢付けまくってるし(あいつまじで〇〇よ) こちらもどうぞ http://oikono...

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