2019-11-03

一人暮らしをはじめた。

一人暮らしをはじめた。

はじめてフローリングほとんどが見える部屋で暮らしはじめた。はじめてゴキブリに怯えない部屋で暮らした。はじめて服の山から今日着る服を引っ張り出し、靴下の片割れを探さなくていい暮らしをはじめた。お風呂場は元の色がわからないほどカビまみれではない。ご飯に虫は入っていない。机の上は広く、勉強道具や趣味の道具を広げても怒られない。ものが腐ったような臭いもない。床に散乱する雑多の書類に足を滑らせ、転ぶことも無い。

両親はとてもいい人だとは思うけれど生活することについては、よくない人だった。私はだいぶ大きくなるまで、布団は毎日畳んでしまものだと知らなかった。小学校でしているような掃除を、家庭でもやっていることを知らなかった。掃除機は年に一度見るか見ないかの頻度で登場し、その後はなんだかよくわからないものに埋もれていった。テレビドラマに出てくる家はフィクションなので床が見えるのだと思っていた。

小学校に上がると友達の家に行くことがあった。フィクションのような綺麗な家にただただ驚いたのを覚えている。友達の家は、私が片付けをしないので出禁になった。

私が友達を家に呼んだことは1度だけある。次の日、学校で「○○ちゃんのいえはきたないね」と言われた。それ以降は人が来たことは無い。

小学校から制服があってよかった。

なんだか少しずつおかしいなと思ってはいたけれど、ご飯は出てくるし、暴力を受けることは無いのでこれは虐待じゃないと考えていた。親は私を愛していたと思う。

持病は酷かった。高校の時はじめて1人で医者に行くと「寝具はどのくらいのペースで洗濯していますか?」と聞かれた。「どのぐらいの頻度がいいのでしょうか?」と質問質問で返した。家の寝具の洗濯ペースより遥かに短い頻度を答えられた。このときはじめて、あぁこの生活健康に悪いんだなと思った。

闇金ウ○ジマくんを読むと自分達の将来の姿に思えてならなかった。登場するたくさんのクズ大人たちより、よっぽど散らかった部屋で鬱々と暮らす自分はもうダメなんだろうと落ち込んだ。

毎日毎日書類が見つからないたび、靴下が見つからないたび、スープに浮かぶ虫や髪の毛を見つけるたび、部屋で転ぶたびに漠然と死にたかったけど、部屋が汚いか死ぬの?と突っ込む自分がいた。

大学は死にものぐるいで家から離れたところにした。部屋の片付け方を調べて、たくさん本を読んだ。色々な場所掃除する頻度も調べた。自分の部屋だけ綺麗に保ち続け、私は大丈夫なのだと言い聞かせた。親のものを捨てると怒られるので何もしなかった。

一人暮らしをはじめて数年が経つ。最初は上手くいかなかったけれど、今となってはだいぶ慣れてきた。ものが少ないと管理がしやすいのでその形に落ち着いた。今流行りのミニマリストみたいなものだろう。

実家には年に1回行くか行かないかの頻度だ。自分の家が整然と片付くほど、実家混沌とした状態に耐えられなくなった。連絡はしている。親が家に来ることもある。たくさん言い合いをして、説得した。親は片付けるという発言20数年実現したことは無い。

先日、久しぶりに実家に行くと私の部屋は、よくわからないもので埋め尽くされていた。

実家に私の部屋はもうない。

  • 久々にCD買ったらステッカーついてきて嬉しいんだけどどこに貼ればいいのかさっぱりわからぬ

  • ADHD

  • あと持病は改善した。

  • 戻ってきたら結構ブクマされてて嬉しい。ありがとうございます。励みになります。 片付けというか部屋作りにおいて何より参考になったのはこれです。 https://anond.hatelabo.jp/20110828154004

  • 制服があってよかった。制服がなければ、あの閉鎖的で規則的な社会に馴染めなかったと思う。

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