全ての依頼が必ずしもこうであるとか、こうなるべきというような社会的な意味は全くない、
自分は小説を趣味で書いている。もちろん出版とかしているようなものでなく、
ある日、ふと「キャラクターのイラストがほしいな…」と思い立った。
なんというか看板のようなものというか、小説を一発で理解できるものというか……。
小説は単純にその作品を知ってもらうためにかかるハードルが大きい、
自分は「思い立ったら即行動」のタイプなので、さっそく絵師さんにイラストを依頼できるタイプのサービスを探した。
いくつかあったが「Skeb」がかなり手軽でお得な感じがしたのでそこにした。
そして、絵師さん探しだが、これは逆に難航した。
それを得意とする人は多く、コミッションでイラストをアップしている人も多く、
誰に依頼しても天才なので完璧なイラストが来るだろうと予測された。
自分は悩んだ。
全員に依頼しようかとも思った。それはそれでいいな……とか思ったが、
流石に色んな絵師さんのイラストを雑多に並べるのはなんか失礼な気もしたが、
とりあえずめちゃくちゃ頑張って一人に絞った。
そして、三行くらいで「こんな感じのキャラです、小説の登場人物です。衣装は服を着てるほうが恥ずかしい感じのえっちな服でお願いします」と書いて送った。
翌日「承認しました」みたいなメッセージが届いた。Skebの決済がされていた。一万円いかないくらいだったと思う。安い。お手軽。
するとなんか一週間くらいでメッセージが届いていた。
「完成しました 確認お願いします」みたいな短いメッセージとともにイラストが添付されていた。
わくわくしながら開いた。
完璧だった。
なんというか、自分の脳を切り取って、それをイラストにして出力したのかと思うほどに理想的だった。
衣装は希望通り、何なら全裸のほうがまだ健全であるほどのきわどいがかつ健全な衣装で、
表情はそのキャラクターを知り尽くしているとしか思えないほどの的確なもの、もしかして小説現行を全て3回読み返したのか?と思うような出来栄え。
肌の質感はもう言葉で語りつくせない。匿名ダイアリーでなければイラストドーンって貼って終わらせるくらいすばらしいものが届いていた。
あまりの衝撃に意識を失っていたが、お礼を言っていない事に気がつきすぐにお礼の連絡をする。
それに対しての返信はサムズアップみたいな軽い感じだったと思う。
「自分の理想どおりのイラストが、数千円出せれば出てくる……?」
翌週の更新分では、すごく筆が乗った。
自分のキャラクターに命が吹き込まれたような気分だったからだ。
頭の中で動かすときに、明確なデザインとイメージを持って動いてくれる。
ああ、小説ってこんなに楽しいものだったんだな……としみじみ思った。
理由はここまで読んでいただいた人ならわかるだろう。
小説はあくまで、文字と、自分の頭の中で動くキャラクター達の物語だ。
しかしそれを、もっと他の、色々な人と共有するためには、「外見」が必要になってくるのだろう。
以前感じた、キャラクターに命を吹き込む行為を、自分でやりたくなったのだ。
試行錯誤しており、全然上手くかけないが、お絵かきは中々楽しいものだ。
きっとやみつきになる。
ここは深い沼だと思うが、それでもいいという人は、是非、自分と一緒に沈んでほしい。
楽しいぞ。 おいで。