2019-07-20

「天気の子感想

他の人の感想批評を目にする前に、見たばかりの自分が感じたことを雑に書き留めておく。雑に。

結論からいうと面白かったし、楽しめた。

君の名は」のような複雑な構造をもたない、テンプレ的な物語を新海なりの作画演出で見せる映画

良い意味で頭の悪いボーイミーツガール

新海誠自分のことを利口に見られたいタイプかと思ったけれどそうでもなかった。

とくにこじらせている感じもすかした感じもしない少年少女の恋の物語

不思議少女出会う、その少女不思議な力を使うことで一時の幸せが訪れ2人は惹かれ合う、

しかしその少女が力を使いすぎたせいで悲しい別れが訪れる、

少年童貞力でミラクルを起こして少女との再会を果たす。

本当にどこにでも転がっているような話。

君の名は」がヒットしすぎて次回作ゆっくり練っている間もなくて

開き直って小細工なしの王道勝負しようと新海誠が思ったのかどうか知らないが、

個人的にはその試みは成功していると思う。

クライマックス、再会を果たした少年少女が2人で空から落ちていくシーンにはけっこうじんと来るものがあった。

どうやって着地するつもりなんだとはらはらもしたがカメラ変わったら廃ビル屋上鳥居の前にちゃんと戻されていた。

いいんだ、この映画は頭の悪い恋愛ストーリーなんだ。

帆高が家出をしないといけなかった事情だとか、

母親病気で死んだぐらいしかからない姉と弟の2人暮らしとか、

誰でも好きに侵入できる廃ビルなんか東京のど真ん中にあんのかよとか、

東京に雨を降らし続けている謎の存在の正体だとか、

なぜ晴れ女が人柱になったら雨がやむのかだとか、

とくに説明はされないけど、時間がなかったのかやけくそなのか前作で意図したことがちっとも客に伝わってなかったからなのか、

理由はともかく削ってよかったと思う。

空っぽにして作画演出の美しさを楽しむことができた。

ひなさんかわいいですね。ブヒ

公開前に新海が賛否両論になるといったのは、

帆高と陽菜が雨を止ませることよりも自分たちの幸せを選んだことについてだと思うんだけど、

それはべつに賛否を呼ぶようなことでもないような。

世界を敵に回しても僕は君一人を救うことを選ぶ、みたいなのセカイ系でさんざん見てきたんで

それに比べたらこんなのぜんぜんマシ、常識範疇

秒速5センチメートル」でも「君の名は」でもない、

童貞力はそのままに批評余地もあまりなさそうな頭悪いエンタメに走った新海についてという話なら

それは賛否両論あるだろうなとは思うけれど、自分としては楽しめたからよし。

前作が売れたからと個人的趣味に走って退屈な作品になりさがるようなのよりかずっといい。

もっと身悶えするような気持ち悪い新海が見たいという需要もわからないではないが。

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