2018-11-21

私は誰かにとっての加害者だが、それでも被害者となる権利がある

人間はいくつもの社会的属性を掛け持ちしていて、そのうちの一つとしてたとえば私は女性という属性を持っている。ときとして女性という属性は不利に働くことがあり、私はそういった意味被害者となることがあった。たとえば小学校ときクラスで一番に計算ドリルが終わったときに「女子のくせにかわいげがないね」と先生に言われたこと、高校通学時に電車男性痴漢にあったこと、大学2年のときに4年の男の先輩に「2女はババア」とからかわれていたこと、就職を頑張ったので男性の平均年収より稼ぐのに、男性から家事スキルレベルジャッジされること。それらについて当然被害者意識を持っているし、よりよく生きていきたいのでその被害を主張し、加害者改善要求したいとも思う。

ところがその一方で、私が持つ属性は他の属性に対して加害者となることもある。たとえば性別という観点では女性という属性が有利に働いて、男性、○○(ここに男性女性以外のたくさんの性別を書きたかったのに知識不足でなんと書いていいかからなかった、それ自体がもう私が無知ゆえのの加害者であることを示している)という属性被害を与えることもあるし、他の観点であれば私はいわゆる健常者であり、いわゆる障がい者という属性に対していまだ無知であるし、また人種という観点で言えば日本では圧倒的マジョリティである日本人という属性上で、人種差別にも鈍感であったと思う。

上記自分が受けた被害も与えた加害も、大部分が倫理観の欠如というより、無知、その属性とのつながりの無さからくる想像力の欠如から発生していることに気づいた。同性愛者の友達ができて初めて、「君オネエなんじゃないの?」というテレビでの“イジリ”に笑えなくなった。在日友達がなぜ泣きながら自分ルーツを話したのか、後にその事実を知った別の友達彼女と縁切りしたと聞くまで分からなかった。聴力の弱い人にとって、エスカレーターの右側を駆け下りられることがどんなに怖いことなのか、ネットで見るまで知らなかった。彼氏理由を聞くまで、満員電車でつり革2つ使ってる男の人って迷惑だなと思っていた。知っていたらそんなことはしなかった、そんな風に思わなかったというのは他の属性の人から見ると言い訳であり、私はその人たちにとって加害者だ。

ここまでが前提で、そして私が言いたいのは「加害者であったことを反省謝罪するし、これからかにとっての加害者となることのないよう、他の属性についてたくさん勉強する。だから自分の受けた被害も知ってほしい。」ということなのだ。

倫理観の欠如ゆえの加害(上記で言えば痴漢行為)を起こした状態でこんなことを言うのはもちろん間違っていると思うけれど、無知ゆえの加害って誰もが受けうる、起こしうることで、そして謝罪反省改善ができるものだと思うのだ。だから過去/現在において無知ゆえの加害者であった人が被害者として被害を主張することが許されていいと思うのだ。

  • 私は永遠に被害者だし自分の加害なんて知ったこっちゃない こういうの多すぎてどうにもね

  • でもキモくて金のないおっさんが被害者として何かを主張することは許さないんですよねわかります

  • 今日も女はめんどくさい

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