2018-01-30

幸せ人生だった」

母が言った。

「本当はいい人を見つけて、結婚して、その人を頼って生きて欲しい。最後に『いい人生だった』って思ってくれたら、それでいいんだけど」

結婚云々は置いておいて、最後のとこの

「いい人生だった」

って思うの、本当はすごく難しいことなんじゃないかな?と、泣きながら話す、母の言葉を聞きながら、少しだけ思った。

ここから先は少し昔話になるけれど、私の父は私や妹には優しいけど、母や店員さん、「自分より下」だと彼が思っている人間には、凄く横柄な人間だった。「DV」という言葉が出来る前からずっと、父は怒ると母に手をあげて、家の物を壊して、暴れた。

基本的には父が好きだったけど、そういう面がずっと苦手だったし、怖かった。

そんな父を相手にいつの間にか母は鬱になってしまって、暫く精神科(心療内科、という言葉はまだ耳馴染みのない時代だった)に通うようになった。

少しだけ母の様子が落ち着いてきた頃、父はパーキンソン病になった。

若年性パーキンソン病患者さんって、すごく「ギャンブル」や「アルコール」に依存する可能性が高いらしくて、礼に漏れず、父は今までほとんどしなかった、パチンコをするようになった。

「あと数年で動けなくなる、だから今のうちに遊ぶ」とでも言うように、父は、何年も何年も、湯水のようにお金を使った。何を言っても聞かないし、暴れて、怒鳴って、「自分けが可哀想なのだと言う。病気のせいだし、薬の副作用のせいだと最初の頃はわかっていた。けれど、いつの間にか、そう納得することも出来なくなった。父を憎く思い始めて、もう何年も経った。

ここまでが前置きで、心身のバランスを崩した母、初めて人に対して「憎い」という感情を抱かせた父、そんな二人を見て育ってきた私(なんとか社会人として慣れてきて、ギリギリ生活を送っている)が、「結婚」に対していい印象を持てるだろうか。

「生まれてきてよかったな、楽しい人生だったな」

って思えるかとか、思ったより色々考えてしまって、本当に「楽しい人生」なんか送れるのかなって、一瞬遅れてめちゃくちゃ不安になっている。

多分、こんなこと誰にも相談できないけど、相談できないから、こんなところに吐き出してるんだと思うけど、私、自分家族ちょっとした弾みで「不良品」になってしまったと、思ってるんだと思う。

その「不良品」になった瞬間が、例えば私が社会人になってからだとか、30を越えてからだとか、立派な「大人」になってからなら、まだ受け止められたんだろう。

ただ、それを受け止めるには私はまだまだ小さい子供だったから、抱えきれずに「家族ってこんなもんなんだ」とか、「好きになって、結婚して、子供が出来たって結局これなんだ」って色々思うし、結局のところ、

幸せ家族

っていうのが今さらよくわかんないのだ。

そういう像を思い描くことは出来るけど、めちゃくちゃ他人事で、自分「母」としてその中心にいることは考えられないし、「子供」だった時分の事を思い出すには、余りにも時間が経ちすぎていて、もうわからないのだ。

しかったし、幸せだったはずなんだけど、その上に重なった「家族」への別の印象が、余りにも大きすぎるのだと思う。

結局私は何とか大人になったけれど、中身はまだ幼い子供とさほど変わらないのだろう。

最近機能不全家族」という言葉を知って、「あ、うちの家じゃん」と、ものすごく思った。

家族の形として、人間として、うちの家は不良品の集まりだと思う。勿論、私自身も、自分の事を「不良品」だと思っている。めちゃくちゃ情緒不安定だし。

不良品の中で育った「不良品の子供」が、「幸せ家族」なんか、作れるのだろうか?

っていうのが、まず、大きな疑問。

不良品の子は結局不良品だと、思う。なら、その不良品がまた子供を産んだら、その子も「不良品」になってしまうんじゃないだろうか?

なら、「不良品」になってしまうことがわかっていて、態々産んでしまうなんて、その子がかわいそうなんじゃ?いらない苦労をさせてしまうんじゃないだろうか?生まない方が、結婚なんかして、元を辿れば「ただの他人」に不良品人生まで背負わせるなんて、どうかしてるんじゃないだろうか?

色々ぐるぐると考えた結果、「不良品」が母の望む普通の人たちの「幸せ人生」を送るのって、めっちゃ難しいことなんじゃないか?って、思ってしまったのだ。

ここまで書いたけど、多分、母は私が自分の事を「不良品」、自分家族も「不良品」だと思っていることを知れば、多分、また泣くと思う。

本当、幸せ人生って難しいな。

読みにくい文章でごめんなさい。

  • お母さんが考える幸せを実現しようと思い続けると大変かも。 あなたが考える幸せを実現するよう生きればいい。 それが結果的にお母さんの考える普通の幸せになるならそれでいいし、...

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