2018-01-24

変態だって恋がしたい

私は変態である

私は貞操観念に厳しい家に生まれたが、不幸にも好奇心が強く、小学生の頃から親の目を盗んではアダルトサイトに入り浸っていた。婚前交渉するなという母からの教えは、大学に入って早々に破ってしまった。

初めてのセックスは思っていたより気持ちよくなかった。

当時の彼氏は早く処女を脱したい一心で作っただけだったので、そんなに好きではなかった。あと今思い返すと、彼はセックスが下手だった。

でも、彼はとてつもない変態だった。私の変態の蕾を花開かせたのは確実に彼だった。端的に言えば彼はドMだったのだ。私のサービス心は彼の手により加虐心へと変化していった。

そして、私は立派なS女になった。

その彼と別れてから3年ほどして、次の彼氏ができた。

その彼のことはかなり好きだったし、最初はこの人となら結婚したい!なんてことを考えていた。本当に好きな人とするセックスは夢のような快楽だった。

でもそのうち、セックスしかすることがなくなった。趣味性格も違い、共通話題も少なかった。性欲でしか繋がっていない関係だった。

加えて、彼はとてもノーマルだった。その時既に変態性に目覚めていた私は、彼のノーマルっぷりに頭を抱えていた。私の鍛え上げられた加虐心が顔を出し、引かれることもままあった。

自分結婚に向いていないことを完全に自覚してから若い女という称号がまだ使えるうちに遊んでおくのが懸命だと考えるようになった。そして、特殊性癖人間が集うサイトセフレ募集した。

そのサイトで私は、小学生から蓄積された性癖を余すことなく羅列した。自分でも引くくらい変態的な文章ができあがった。すると、そんな変態を求める男性から大量の返信が来た。

私は感激した。私以外にもこんなに変態がいるんだ!皆気持ち悪い!人間ってすごい!

そして私は人生で初めてセフレというものを作ったのである

セフレは、とても楽だった。すごかった。どんな要望でも口からスラスラ出てしまう。こんなこと言っちゃって引かれるかも、みたいなことを考えなくていい。だって相手変態からだ。

変な駆け引きも要らないし、気を使って演技をしなくてもいい。あと、無駄な期待を持ってしまったり、ちょっとたことにイラついたりしない。

しかし、私は危惧している。セフレはあまりに楽しすぎる。これでは恋人ができない。

変態だって恋がしたいのだ。純愛とかすごい憧れるのだ。シーブリーズが似合う恋とかしたい。福原愛さん夫婦とか超羨ましい。

ただ、私は変態だ。エロいことばっか考えている。この人はどんなセックスするんだろう、と一番に考えてしまう。

それに、最初から人間性に惹かれ、きちんと好きになったとしても、結局は性的問題が絡んでくるではないか。結局自分変態から逃れられない。

変態にはもう、セフレから恋人を探すか、脳みそシーブリーズで洗い流すしか残されていないのだろうか。

それか、変態であるがゆえの業として、愛している人には自分のことを隠し続け、変態性を解放してくれるパートナー別に持ち続けたりする器用さが求められるのか。

ああもう、隠れ変態ヒロインが、自分変態であることを忘れさせてくれるような王子様に出会って幸せになる少女漫画が読みたい。

と、ついに買ってしまった麻縄を煮ながら思っている。

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