2017-03-04

http://anond.hatelabo.jp/20170304083948

君の名は。」の最大の魅力は脚本だとずっと思ってたので、ちょっとすっきりした。

他の映画をあまりたくさん見ていないから偉そうには言えないけど、飛行機で何度もリピート再生して「君の名は。」の何にハマったかといえば、荒唐無稽な設定と、それをも吹き飛ばす脚本テンポだった。

物語設計絵コンテではない、新しい手法ビデオコンテとWeb記事にあった)を編み出し、その手法フォロワーを生み出した点も評価されたんじゃないかと思う。

長周期彗星地球の月軌道内に入ることも、その一部が分離して流星となることも、通常はありえない(重力潮汐力分子間力をSL9彗星比較してみればいい)けど、背景としての「周期性災害」に生々しい「地震」を避け、自身の強みである「美しい描写」が生える彗星を軸にし、矛盾点を全て吹き飛ばす力強さを脚本に持たせるのは並大抵のことではない。この「物語性」の強さには監督の「文学部出身としての強みもあると思う。

SFとして見るなら「インターステラー」のような科学整合性重視の対極にあるような映画で、それでも見ている間はバカバカさより感動の方が遥かに上回っていた。

一見関係なさそうに見える、神社奉納だって、繭吾郎逸話だって就職面談だって、全てが1つの物語として巧妙に練り込まれてる。そして「美しい風景」に指向されるよう、仕向けられている。

例の「天文学的描写ミスだって、より深いツッコミを避けるために意図的に入れたんではないかと勘ぐるほど。

君の名は。」を見て、ハマるアニメには「物語」が本当に、本当に、本当に大切だということ、そしてそれを生み出すのは過去の多くの「物語」の仕組みを知る深い教養必要ということに気付かされた。

願わくば、おそらく来年以降、ぼこぼこ増えるであろう柳の下の泥鰌関係者もこの脚本賞意味が届きますよう。

あと、ジブリとか「この世界の片隅に」は絵コンテ書籍化してるけど、「君の名は。」のビデオコンテも発売したら売れるんじゃないかとは思う。

記事への反応 -
  • でもまぁよく考えたら有名どころの他の映画はいかにもな日本映画ばかりで脚本的な工夫が全然なかったし妥当か。 ノンフィクションとか原作つきも多すぎたし。

    • 「君の名は。」の最大の魅力は脚本(というか物語)だとずっと思ってたので、ちょっとすっきりした。 他の映画をあまりたくさん見ていないから偉そうには言えないけど、飛行機で何...

      • 「天文学的描写ミス」はなにものかが彗星の軌道を意図的に変更したのでは?!!! みたいな記事が作中の雑誌ムーの中にかいてあるんだってよ。 彗星が降ってくるのは監督も通常あり...

      • 私も同感だ。 ストーリーは本当によく出来ていて、素直に感動させられてしまう。 けれど、ストーリーの良さ、というのは人と話しにくい話題なんだよね。 見た人同士はもう良さが分...

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